最新記事

医療

コロナ禍の今こそ知りたい世界の病院トップ200

THE WORLD’S BEST HOSPITALS 2021

2021年4月10日(土)12時32分
ナンシー・クーパー
病気治療(イメージ)

ILLUSTRATION BY GRIVINA/ISTOCK

<コロナ禍で多くの人が痛感した、身近にある優れた医療のありがたさ。どの病院を選ぶかは時として、あなたや家族の生死を左右する>

定評のある世界的なデータ調査会社スタティスタと提携して、本誌米国版が世界中の病院ランキングを発表し始めてから3年目。皮肉なもので、今回は最も注目を集めそうだ。

新型コロナウイルスの世界的な感染爆発で、私たちは今さらながら思い知らされた。私たちの、そして私たちの愛する人の命は「どこで、どんな医療を受けられるか」に大きく左右されることを。

このランキングは、膨大なデータと専門家の意見を基に、世界25カ国の病院を評価して作成された。上位にランクインした病院は、名だたる名医や一流の看護に加えて最新の技術や設備を備えるなど、一貫して優れた医療を提供している。

もちろん、病院に行って診察や治療を受けないで済めば、それに越したことはない。知人や家族・親族を見舞いに行かないで済めば、それに越したことはない。でも、そうせざるを得なくなったときは、きっとこのリストが役に立つ。

病院へのリンクが付いた米国版掲載のランキングはこちらから。

1位 メイヨー・クリニック

米ミネソタ州 ロチェスター

210406p42hos_02.jpg

ARIANA LINDQUISTーBLOOMBERG/GETTY IMAGES


1889年にウィリアムとチャールズのメイヨー兄弟を中心とする医師たちによって創設された診療所が、今では米国内の5州を含め、世界各地に数十の系列病院を展開している。世界全体のスタッフ数は6万人を超えるが、その半数以上は創業の地ロチェスターの病院に所属。

先駆的なチーム医療や治療と並行して研究にも重点を置くアプローチを通じて、複雑な疾患の治療で高い評価を確立している。今年2月には同病院の外科チームが、新型コロナウイルス感染症を併発していた大学スポーツ選手の肝臓移植手術を世界で初めて成功させた。

2位 クリーブランド・クリニック

米オハイオ州 クリーブランド

今年で創立100年を迎える老舗で、今や米国内と世界各地に18の病院(病床数合計6000以上)と220超の診療所を有する大病院に成長。2019年には240万人の患者を治療し、30万9000人の入院患者を受け入れ、外科手術を含む処置を25万5000件手掛け、約1000万件の外来診療に対応した。

クリーブランドの本部病院は1950年代から心臓病の治療や心臓手術で世界をリードしており、1960年代には冠動脈バイパス手術で大きく躍進した。現在は子宮移植手術でも先端的な役割を果たしており、2019年には死亡したドナーから移植された子宮での出産を成功させている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

制約的政策、当面維持も インフレ低下確信に時間要=

ビジネス

米鉱工業生産、3月製造業は0.5%上昇 市場予想上

ワールド

米中、軍事対話再開 22年以来初めて

ワールド

中東巡る最近の緊張、イスラエル首相に責任=トルコ大
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 2

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア黒海艦隊「主力不在」の実態

  • 3

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 4

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 5

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 6

    【地図】【戦況解説】ウクライナ防衛の背骨を成し、…

  • 7

    訪中のショルツ独首相が語った「中国車への注文」

  • 8

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    「アイアンドーム」では足りなかった。イスラエルの…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 7

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    猫がニシキヘビに「食べられかけている」悪夢の光景.…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中