最新記事

コロナ変異種

南アフリカの変異ウイルス、英科学者がワクチンの有効性に懸念

2021年1月5日(火)08時47分

南アフリカで見つかった新型コロナウイルス変異種について、英科学者はワクチンが効くと完全に確信しているわけでないと、英ITVのロバート・ペストン政治部編集長が4日、匿名の英政府アドバイザーの発言を引用して述べた。ウイルスの画像。2月撮影(2021年 ロイター)

南アフリカで見つかった新型コロナウイルス変異種について、英科学者はワクチンが効くと完全に確信しているわけでないと、英ITVのロバート・ペストン政治部編集長が4日、匿名の英政府アドバイザーの発言を引用して述べた。

ハンコック保健相は4日これに先立ち、新たな変異種を非常に懸念していると述べた。

ペストン編集長は「政府の科学アドバイザーの一人によると、ハンコック氏が南アフリカの変異ウイルスを非常に懸念するのは、ワクチンが英国で見つかった変異ウイルスと同様に有効か科学者らが確信がないからだ」と述べた。

英イングランド公衆衛生庁(PHE)は、ワクチンが変異ウイルスに対して有効でないことを示唆する証拠は現時点でないとした。保健省は現時点で報道に関するコメント要請に応じていない。

英国と南アフリカでは最近、変異ウイルスが発見され、感染の急拡大をもたらしている。

科学者によると、南アの変異ウイルスは体内に侵入する上で重要な役割を果たす「スパイクタンパク質」に複数の変異が見られるという。また、感染者が保有しているウイルス量の多さと関連しており、これが感染率の上昇につながっている可能性があるとした。

英政府のワクチン・タスクフォースのメンバーであるオックスフォード大学のジョン・ベル教授は3日、ワクチンは英の変異ウイルスには効果があると思うが、南アの変異ウイルスへの効果には「大きな疑問符」が付くと述べた。現行のワクチンが効かなかった場合、新たにワクチンを創製する必要があるが、それには1年はかからず1カ月か6週間程度で可能との見方を示した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マスク氏とフアン氏、米サウジ投資フォーラムでAI討

ビジネス

米の株式併合件数、25年に過去最高を更新

ワールド

EU、重要鉱物の備蓄を計画 米中緊張巡り =FT

ワールド

ロシアの無人機がハルキウ攻撃、32人負傷 ウクライ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 10
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中