最新記事

クリスマス

今年のクリスマスはサンタも危ない?

Santa Claus Tests Positive for COVID, Exposing 50 Kids in Georgia

2020年12月16日(水)17時44分
アレクサンドラ・ガレット

WHOは、サンタクロースは新型コロナに免疫があるので子どもたちのところにちゃんと来てくれると言ったが Caitlin Ochs-REUTERS

<米ジョージア州でサンタと記念撮影をした子どもたち約50人が濃厚接触者に、ベルギーではサンタの訪問を受けた介護施設で75人が陽性、1人が死亡した>

12月10日にジョージア州ルドウィッチでおこなわれたクリスマスパレードに出演していたサンタクロースが新型コロナウイルスに感染していたことがわかった。その場には約50人の子どもたちがいて、全員が濃厚接触者になった。

ロング郡の商工会議所が主催したこのイベントでは、ツリーのライトが点灯され、子どもたちが「サンタクロース夫妻」を訪ねて写真をとるコーナーがあった。

パレードの2日後、サンタクロースに扮した男女はどちらも新型コロナウイルス感染症の検査で陽性となった。

イベント実施時点では、サンタクロース夫妻にはいっさい症状がなかったと、ロング郡行政委員会のロバート・D・パーカー委員長は声明のなかで述べている。「子どもたちは、学校やレクリエーション施設、教会で、知らないうちに他の子どもやおとなたちと濃厚接触することがある」

米疾病対策センター(CDC)は新型コロナウイルスの濃厚接触者に対して、14日間の隔離期間をとることを推奨している。ただし、無症状であれば、その後の症状の有無に注意しつつ、隔離期間を10日間に短縮できる。接触の5日後以降に検査で陰性になれば、隔離期間をさらに短縮して、検査後7日間とすることも可能だ。

地元テレビ局「WJCL 22」によれば、ロング郡の学校は、サンタクロース夫妻と接触した子どもたちの保護者に対し、新型コロナウイルス感染症の症状がある場合にはホリデーシーズンの休暇明けまで自宅待機させるように求めているという。対象となる児童については、当面のあいだオンライン学習に切り替えると報じられている。

休暇シーズンで感染者急増

ジョージア州では、全米のほかの多くの州と同様に、ホリデーシーズン開始以降、新型コロナウイルス感染者数が急増している。

ニューヨーク・タイムズのデータによれば、ジョージア州における12月14日の新規感染者は3577人、死者は22人だった。過去1週間では、ジョージア州における1日あたりの感染者数は平均5562人にのぼり、それ以前の2週間と比べて101%増加している。

クリスマスを象徴するサンタクロースが原因で新型コロナウイルス感染が拡大したのは、これが初めてではない。ベルギーでは12月はじめ、「聖ニコラ」に扮して介護施設を訪問した人物が、その後まもなく陽性が判明。その後、入居者と職員の合計75人が陽性反応を示し、1人が死亡した。

WHO(世界保健機関)は12月15日、サンタクロースは新型コロナに対する免疫があるので子どもたちのところまで移動するのに問題はないとアナウンスしたが、ウイルスを運んでくるサンタもなかにはいるようだ。

ロング郡商工会議所の代理人を務めるブランディ・N・スマイリー(Brandi N. Smiley)は、本誌宛ての電子メールで、「現時点では、サンタクロース夫妻役を務めた2人のほかに、陽性と判定された人はいない」と述べている。

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 ジョン・レノン暗殺の真実
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月16日号(12月9日発売)は「ジョン・レノン暗殺の真実」特集。衝撃の事件から45年、暗殺犯が日本人ジャーナリストに語った「真相」 文・青木冨貴子

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃

ワールド

シリアで米兵ら3人死亡、ISの攻撃か トランプ氏が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 9
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 10
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中