最新記事

感染第2波

スウェーデンでもコロナ感染が再拡大 首相が警戒の緩みを警告

2020年9月25日(金)12時22分

スウェーデンのロベーン首相は24日、一部地域における新型コロナウイルスの感染ペースに懸念を示し、多くの人たちが数カ月にわたる警戒態勢を緩め、元の社会生活に戻りたくなっているようだと指摘した。写真は5月、ストックホルムのショッピングセンター内でソーシャルディスタンスを呼びかける看板。提供写真(2020年 ロイター/TT News Agency/Henrik Montgomery)

スウェーデンのロベーン首相は24日、一部地域における新型コロナウイルスの感染ペースに懸念を示し、多くの人たちが数カ月にわたる警戒態勢を緩め、元の社会生活に戻りたくなっているようだと指摘した。

スウェーデンは大半の諸外国と異なり、強制的なロックダウン(封鎖)を避けてきた。個々人の責任に訴え、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を維持したり、衛生対策を強化するなどし、コロナを封じ込めるのではなく、感染ペースを鈍化させることを目指している。

多くの欧州諸国に比べて感染者ははるかに少ないが、ここ数週間、徐々に増加している。24日に確認された感染者は533人で、1日当たりとしては7月初め以来の高水準となった。

ロベーン首相は会見で、国民が感染の防止に対して気を緩めすぎていると指摘。「スウェーデンの状況は比較的安定しているが、一部地域で感染増加の兆候が見られ、懸念される」と述べた。

その上で、「春には警戒する姿勢がみられたが、それが徐々に抱擁やパーティー、混雑したバスに取って代わられ、元の日常が戻りつつあるようだ」と述べ、社会的距離などをも守るよう要請するとももに、必要に応じてより厳格な措置を取る用意があると警告した。

政府のコロナ感染症対策を率いる疫学者のアンデシュ・テグネル氏は記者団に、「緩やかだが、確実に誤った方向に向かっている。秋にみんなが職場復帰したときに起こり得ると議論していた事態だ」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア開発のコロナワクチン「スプートニクV」、ウイルスの有害な変異促す危険性
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・パンデミック後には大規模な騒乱が起こる
・ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死


ニューズウィーク日本版 世界最高の投手
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月18日号(11月11日発売)は「世界最高の投手」特集。[保存版]日本最高の投手がMLB最高の投手に―― 全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の2025年

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国外務省、高市首相に「悪質な」発言の撤回要求

ビジネス

訂正-三越伊勢丹HD、通期純利益予想を上方修正 過

ビジネス

シンガポール中銀、トークン化中銀証券の発行試験を来

ビジネス

英GDP、第3四半期は予想下回る前期比+0.1% 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中