最新記事

2020米大統領選

トランプとバイデン、西部の大規模山火事めぐり見解対立 大統領選の争点に

2020年9月15日(火)10時15分

米民主党大統領候補のバイデン前副大統領は14日、西部で続く史上最悪規模の山火事について、トランプ大統領が地球温暖化による影響を認識していないと非難。一方、トランプ氏(写真右)は視察先のカリフォルニア州で森林管理が被害を抑制する鍵になると述べた(2020年 ロイター/JONATHAN ERNST)

米民主党大統領候補のバイデン前副大統領は14日、西部で続く史上最悪規模の山火事について、トランプ大統領が地球温暖化による影響を認識していないと非難した。一方、トランプ氏は視察先のカリフォルニア州で森林管理が被害を抑制する鍵になると述べるなど、この問題が11月大統領選の争点に浮上している。

オレゴン州、カリフォルニア州、ワシントン州で猛威を振るう山火事は8月以降、160万ヘクタールに被害が拡大し、少なくとも25人が死亡した。

民主党から史上最大規模の山火事にも沈黙を守っていると批判されてきたトランプ大統領はこの日、カリフォルニア州を訪れ、消防隊員や当局者と面会。気候変動が火事の要因かと記者団に聞かれ、「管理の問題という要因が大きいと思う」とし、迅速に対応できる課題として森林管理の修正を挙げ、気候変動については各国が関係するため時間がかかると述べた。

トランプ氏はこれまで気候変動が「デマ」という見解を示し、2017年には気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」からの脱退を表明した。

バイデン氏は地元デラウェア州で、異常気象が火事の勢いを強めているという気象科学者の見解に言及。トランプ氏を「気候放火犯」と呼び、「トランプ氏の気候変動否定がもう4年続けば、どれぐらいの郊外地域が山火事で焼失することになるだろうか。どれぐらいの人が家を追われるだろうか」と訴えた。

カリフォルニア州のニューソム知事は、同州が森林管理に十分対応してこなかったと認めたが、地球温暖化が火事を増幅させているとした上で、州内の森林の57%が連邦政府の管理下にあると指摘した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・米中新冷戦でアメリカに勝ち目はない
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?


20200922issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

9月22日号(9月15日発売)は「誤解だらけの米中新冷戦」特集。「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う。米中関係史で読み解く新冷戦の本質。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン大統領、マイクロンへの補助金発表へ 最大6

ワールド

米国務長官、上海市トップと会談 「公平な競争の場を

ビジネス

英バークレイズ、第1四半期は12%減益 トレーディ

ビジネス

ECB、賃金やサービスインフレを注視=シュナーベル
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中