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北朝鮮国営メディアがイメチェン 台風被害の実況やネット発信

2020年9月4日(金)17時50分

世界に情報発信

北朝鮮は近年、国外の視聴者も獲得しようと、オンラインメディアにも手を出している。

1つの例がツイッターアカウント「@ColdNoodleFan」(冷麺ファン)。プロフィールには「反戦、平和主義で、(北朝鮮に関する)バイアスのないニュース」と記されている。

ソウルのNKニュースの北朝鮮専門記者、コリン・ズワーコ氏によると、このアカウントは国のSogwangメディアグループと結びついている様子で、同グループの公式サイト等に出る前にコンテンツを公開することさえある。

同アカウントのフォロワー数は約9000人、フォローしている他のアカウントはゼロ。ツイッターは最近このアカウントを凍結し「異例の行動」があったとのメッセージを表示しているが、凍結の具体的な理由は明らかにしていない。

また、「Echo of Truth」(真実のこだま)というユーチューブ(Youtube)の英語チャンネルは、北朝鮮の「日常」を動画で伝える内容で構成され、登録者数は約2万9000人、再生回数は150万回を超えている。

このチャンネルで最も人気を集めた動画は、平壌のピザ店、アミューズメントパークで遊ぶ笑顔の人々、新型コロナウイルスの感染状況、最近の洪水などに関するものだ。

「What's Up Pyongyang?」(平壌で今何が)などのタイトルが付いた動画シリーズでは、英語を話す若い女性が平壌のさまざまなスポットを紹介して回る。

ウィリアムズ氏によると、「Echo of Truth」はここ数カ月、北朝鮮の過去の指導者を映した旧式の動画をひそかに削除し、代わりに視聴者数の拡大につながる新しい動画に焦点を絞っている。

同氏によると、中国語のオンラインメディアへの進出は、英語以上に成功を収めているようだ。中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」の北朝鮮アカウントは、フォロワー数が53万3000人に上る。

ズワーコ氏は「こうした取り組みは、ソーシャルメディアを北朝鮮に関する明るいメッセージで満たすことを目的としているようだ。あるいは少なくとも、海外の他のメディアが伝える北朝鮮情報に疑いを抱かせることだろう」と述べた。

(Josh Smith記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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