最新記事

感染第2波

ヨーロッパにコロナ感染第2波 仏やスペインで制限再導入、英も検討

2020年9月22日(火)11時29分

欧州に新型コロナウイルス感染の第2波が及んでいる。感染者数は再び急増し、感染拡大抑制に向けた制限措置を再導入する動きも広がっている。ロンドンで21日撮影(2020年 ロイター/HANNAH MCKAY)

欧州に新型コロナウイルス感染の第2波が及んでいる。感染者数は再び急増し、感染拡大抑制に向けた制限措置を再導入する動きも広がっている。

フランスでは21日、第3の都市リヨンで、屋外での主要イベント入場者数をこれまでの5000人から1000人に制限するほか、午後8時以降の屋外での酒類販売と飲酒を禁止する方針が発表された。新規感染者や集中治療室(ICU)入院者数の急増に対応する。

レストランやバーの店内飲食については、着席した飲食は容認されるが、バーでの立ち飲みやダンスなどは禁止される。高齢者施設への訪問も週2回に制限する。

これまでにマルセイユやボルドー、ニースでも同様の措置が取られている。

フランスでは19日、1日の新規感染者数が1万3498人と、これまでの最多を記録した。

フランスでの感染状況悪化を踏まえ、イタリアのスペランツァ保健相は、パリを含むフランスの一部都市からの訪問者にコロナ検査を義務付けると発表した。22日から実施される。

イタリアは一時、欧州のコロナ震源地だったものの、これまでのところ感染の第2波はおおむね回避している。

スペインの首都マドリードではこの日、コロナ感染が急拡大している一部地域でロックダウン(都市封鎖)措置が実施された。さらに、地元当局者は軍の支援や仮設病院の再設置を要請した

欧州でコロナ感染症による死者が最多の英国では、最近のデータによると、1日に少なくとも6000人のペースで感染者が増加している。保健当局者は、感染第2波制御に向けた措置が迅速に実施されなければ、10月半ばまでに1日の新規感染者が5万人、死者数も急増すると警鐘を鳴らす。

ジョンソン英首相は22日に対応策を明らかにする。ハンコック保健相によると、新たな制限措置は前回とは異なり、人の集まりを取り締まる一方、学校の運営や多くのビジネスの営業は継続される見通し。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア開発のコロナワクチン「スプートニクV」、ウイルスの有害な変異促す危険性
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・パンデミック後には大規模な騒乱が起こる
・ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死


20200922issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

9月22日号(9月15日発売)は「誤解だらけの米中新冷戦」特集。「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う。米中関係史で読み解く新冷戦の本質。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ紛争は26年に終結、ロシア人の過半数が想

ワールド

米大使召喚は中ロの影響力拡大許す、民主議員がトラン

ワールド

ハマスが停戦違反と非難、ネタニヤフ首相 報復表明

ビジネス

ナイキ株5%高、アップルCEOが約300万ドル相当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    【投資信託】オルカンだけでいいの? 2025年の人気ラ…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中