最新記事

サイバー攻撃

北朝鮮、2月から各国の銀行サイバー攻撃で違法に資金獲得 米政府が警告

2020年8月27日(木)10時54分

米政府は26日、北朝鮮のハッカーが世界中の銀行に不正アクセスし、違法な送金のほか、現金自動預払機(ATM)から不正に現金の引き出しを行っていると警告した。ローマで昨年1月撮影(2020年 ロイター/ALESSANDRO BIANCHI)

米政府は26日、北朝鮮のハッカーが世界中の銀行に不正アクセスし、違法な送金のほか、現金自動預払機(ATM)から不正に現金の引き出しを行っていると警告した。

政府は、財務省と連邦捜査局(FBI)を含む4機関が合同で作成したサイバーセキュリティー報告書で、北朝鮮による金融に関連したハッキング行為は一時は低調になっていたものの、今年に入り再び活発化したと指摘。「2020年2月以降、北朝鮮は複数の国の銀行を再び標的にし、国際送金を行ったり、ATMから現金を引き出したりしている」と警告した。

米当局は北朝鮮によるこうした不正行為を「ファスト・キャッシュ(Fast Cash)」戦略と名付け、背後に北朝鮮の対外工作機関である「偵察総局(RGB)」がいると指摘。こうした行為は16年から始まっていたが、最近になって手法が高度化すると同時に、規模も拡大したとしている。

国土安全保障省(DHS)のサイバーセキュリティー担当のブライアン・ウェア氏は、北朝鮮が金融部門などに対するサイバー攻撃能力を高めたとの認識を表明。サイバーセキュリティーや外交政策の専門家は、北朝鮮は制裁措置で財政が苦しくなっており、こうしたサイバー攻撃で得られた資金を政府の運営に利用しているという見方を示している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・韓国、新型コロナ第2波突入 大規模クラスターの元凶「サラン第一教会」とは何者か
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる


20200901issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月1日号(8月25日発売)は「コロナと脱グローバル化 11の予測」特集。人と物の往来が止まり、このまま世界は閉じるのか――。11人の識者が占うグローバリズムの未来。デービッド・アトキンソン/細谷雄一/ウィリアム・ジェーンウェイ/河野真太郎...他

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産、EV生産にギガキャスト27年度導入 銅不要モ

ビジネス

米アップル、ベトナム部品業者への支出拡大に意欲=国

ビジネス

アムンディ、米ビクトリーの株式26%取得へ 米事業

ビジネス

米テスラの世界的人員削減、米国や中国でも実施=関係
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 5

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 6

    キャサリン妃は最高のお手本...すでに「完璧なカーテ…

  • 7

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 8

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 9

    中国の「過剰生産」よりも「貯蓄志向」のほうが問題.…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 4

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 5

    ドイツ空軍ユーロファイター、緊迫のバルト海でロシ…

  • 6

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 7

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 8

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 9

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 10

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中