最新記事

感染第2波

韓国、コロナ第2波で重症患者の病床ひっ迫 集会制限は反文在寅デモ封じ込めが目的?

2020年8月24日(月)21時46分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

韓国政府の医療改革案に反対する医療関係者が8月14日に行ったデモ。感染対策の集会禁止は反政府デモ封じ込めとの声も出ている。REUTERS/Heo Ran

<サラン第一教会のクラスターが感染第2波へ拡大している韓国。集会の制限などの感染対策には反発の声も>

新型コロナウイルスの感染第2波が到来した韓国で23日、過去24時間のコロナウイルス感染者が、3月初めから最多の397名を記録してしまった。ここ数日で、全国の感染者数が300名を超え、各地でクラスターも発生している。

感染者数が増えると同時に、症状が重症化する患者も増加しているようだ。現在韓国内での重症患者は32名と発表されていて、これはここ3日間で2倍に増加したことを意味している。

今後、現在の軽症者の中からも重症化する患者が出てくる可能性が高い。現在の重症患者年齢内訳を見ると、60代が15名と最も多いが、30代40代も1名ずつ入院しており、現在病院でコロナウィルスと戦っている。

しかし、韓国首都圏にある重症患者のための病床稼働率は60%を超えている状態だ。このまま持ちこたえて欲しいが、最悪の場合医療崩壊もしかねないと心配されている。

韓国政府は早速緊急命令を出し、今回も素早い対応を見せている。23日、ソウル市はコロナ対策ブリーフィングにて、24日午前0時より屋内外でのマスク着用義務化令を発令した。続いて、大邱市や世宗市でもマスク着用義務化令を発令しており、今後の感染拡大状況に応じで、全国のその他主要都市でも発令される見込みだ。

結婚式を中止に追い込まれるカップルも

マスク着用令発令に先立つこと4日前、感染拡大が深刻化し始めた19日には、既にクラブや居酒屋、カラオケなど「夜の街」関連の店舗、更にはクラスターが発生しやすいジム、ビュッフェ式レストラン、訪問販売、個人ではない大型経営の塾、ネットカフェなどの店舗へ緊急運営禁止令が出されている。

さらに物議をかもしているのが、「屋内で50人以上の博覧会、展示会、結婚式等の禁止令」である。これにより、かねてから計画していた結婚式を、中止せざるを得ないカップルが続出した。

韓国も日本同様、結婚式場は数カ月前からの予約が必要だ。日本よりもカジュアルではあるが、招待状を作って送ったり、歌のコーナーで"祝歌"を歌う人をブッキングしたりとなかなか大変である。今週中止して来週に延期しようという問題ではない。そして何より、延期や中止の違約金問題もある。結婚式を予定していたカップルらの中には、中止や延期の違約金の免除や、国からの負担を願い出る声もあるようだ。


【関連記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・韓国、新型コロナ第2波突入 大規模クラスターの元凶「サラン第一教会」とは何者か
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、GDPワラント債再編手続き完了 デフォ

ワールド

プーチン大統領、北朝鮮の金総書記に新年のメッセージ

ワールド

焦点:ロシア防衛企業の苦悩、経営者が赤の広場で焼身

ワールド

北朝鮮の金総書記、24日に長距離ミサイルの試射を監
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中