最新記事

感染第2波

ドイツで新型コロナ「再生産数」が上昇 感染ペース加速の兆し

2020年6月22日(月)11時35分

ドイツ政府の国立感染症研究機関であるロベルト・コッホ研究所(RKI)によると、新型コロナウイルスの感染者1人が新たに何人に感染させるかを示す「実効再生産数」が2.88と前日の1.79を大幅に上回った。独ベルリンで6月17日、代表撮影(2020年 ロイター)

ドイツ政府の国立感染症研究機関であるロベルト・コッホ研究所(RKI)によると、新型コロナウイルスの感染者1人が新たに何人に感染させるかを示す「実効再生産数」が21日に2.88と前日の1.79を大幅に上回った。長期的なウイルス封じ込めに必要な水準を超えて感染者が増加していることを示す。

これまでのところ感染拡大抑制におおむね成功しているドイツで、再び制限措置が導入される可能性が出てきた。

ウイルスを封じ込めるには実効再生産数を1未満に維持することが必要になる。21日の数値2.88は、感染者100人が新たに288人に感染を広げることを意味する。

メルケル首相は感染拡大を防ぐためのロックダウン(封鎖)措置をより長期間維持したい意向だったが、経済再開を求める地方の政治家からの圧力を受け、ここ数週間に規制を徐々に緩和している。

しかし、西部ノルトライン・ヴェストファーレン州では、食肉処理場で感染者が1300人超に上り、19日時点の803人から増加。これを受け、7000人に隔離措置が取られたほか、付近の学校などが閉鎖された。

同州の首相は21日、国内テレビ局ZDFに対し「より広範なロックダウンを排除できない」と述べた。

RKIによると、実効再生産数の2.88は4日間の移動平均データに基づくもので、1─2週間前の感染ペースを反映している。19日時点では1.06だった。

7日間の移動平均データに基づくと実効再生産数は2.03となるという。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・新型コロナ、血液型によって重症化に差が出るとの研究報告 リスクの高い血液型は?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・アメリカが接触追跡アプリの導入に足踏みする理由
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200623issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月23日号(6月16日発売)は「コロナ時代の個人情報」特集。各国で採用が進む「スマホで接触追跡・感染監視」システムの是非。第2波を防ぐため、プライバシーは諦めるべきなのか。コロナ危機はまだ終わっていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

10月国内企業物価指数は前年比+2.7%、前月比+

ワールド

G7外相、ウクライナ和平実現へ対ロ圧力強化を検討

ワールド

米最高裁、クックFRB理事解任訴訟で来年1月21日

ビジネス

インドCPI、10月は過去最低の+0.25%に縮小
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 3
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働力を無駄遣いする不思議の国ニッポン
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中