最新記事

栄養代謝

納豆が感染後の悪化を防ぐ可能性 新型コロナ

2020年6月11日(木)17時50分
モーゲンスタン陽子

英紙でも話題に ...... kuppa_rock -iStock

<オランダの医師たちがビタミンKと新型コロナ症状緩和に関連性を見出したことから、にわかに注目が集まっている ......>

新型コロナは感染後、基礎疾患や高齢により悪化しやすいが、ふだんの栄養状態も関係すると言われている。欧州臨床栄養代謝学会(ESPEN)は早くから、新型コロナ患者のための栄養ガイドラインを提示していた。

なかでも注目されているのは、動脈や骨の健康に欠かせないと言われるビタミンKだ。昨年くらいから健康に敏感な人たちのあいだで密かなブームとなっていたようだが、さらにこの度、オランダの医師たちがビタミンKと新型コロナ症状緩和に関連性を見出したことから、にわかに注目が集まっている。

K1とK2があるが、体内吸収率のより高いK2が非常に多く含まれる納豆が特に注目されている。

ビタミンKの欠乏と症状悪化の関連性

栄養バランスと適度な運動が免疫力を高めることはよく知られているが、どうやらビタミン・ミネラルの働きはそれだけではなさそうだ。栄養失調気味の患者は感染後の悪化や、入院中に筋肉を失うのが早く、また退院後も回復が遅い。このためESPENは入院中の患者の栄養状態の定期検査を奨励しているが、たとえばドイツでは、特別養護老人ホーム居住者の4分の1とすべての入院患者の3分の1が、栄養素とミネラル不足だといわれる。とくに、新型コロナに感染し、入院が必要なほど悪化した人にはビタミンKの欠乏が顕著だということで、この4月くらいから研究が進んでいた。

ビタミンKには血液を凝固させる作用や、骨中のカルシウムを内外に移動できる特殊なタンパク質を活性化する働きがある。また、ロッテルダム心臓研究によると天然ビタミンK2を豊富に含む食材を長年食べてきた人は、動脈内のカルシウム沈下が著しく低く、心臓血管の健康状態が良好だったという。

オランダではまた、ナイメーヘン市の病院で医師たちがビタミンKの欠乏と症状悪化の関連性を発見。新型コロナは血液凝固を引き起こし、肺の弾性繊維を分解するが、ビタミンKが凝固を調節し、肺疾患から保護するタンパク質の生産にかかわるという。調査では、3月12 日から4月11日の1か月間で入院した134人の患者と、年齢の対応する184人の新型コロナ以外の患者とを比較して行われた。

ビタミンK2の豊富な納豆

ビタミンKにはK1とK2があり、K1はほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜に多い。体内吸収率のより高いK2はチーズなどに多く含まれるが、なかでも注目されているのが納豆だ。納豆には1パック(40g)あたり約240μgものビタミンK2が含まれる。ちなみに、ドイツ栄養学会(DGE)の推奨する1日の摂取量が51歳以上の女性で約65 μg、男性で80μgであることからも、その豊富さがわかるだろう。 

今、あなたにオススメ

ニュース速報

ビジネス

カナダ中銀、急速な利上げ継続 基調インフレ緩和せず

ビジネス

米ペロトン、従業員約12%削減へ 会社「救う」措置

ビジネス

米新規失業保険申請21.9万件、予想より増加 ハリ

ワールド

英、冬季に3時間の計画停電実施も ガス輸入不十分な

今、あなたにオススメ

MAGAZINE

特集:超円安時代

2022年10月11日号(10/ 4発売)

急激に進む異次元の円安で1ドル=150円が目前 ── インフレとの同時進行から家計を守る方法は?

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    引き抜いた歯にガスマスク......ハルキウで見つかった拷問の証拠品──ウクライナ当局

  • 2

    ロシア軍がミサイル発射「大失敗」、ロシア国内の住宅地に着弾する瞬間の映像

  • 3

    韓国人がなんでもかんでも日本のせいにする理由

  • 4

    再生可能エネルギーの拡大を支える揚水蓄電、日本の…

  • 5

    超大質量ブラックホールが3年以内に大規模な衝突を起…

  • 6

    ヒトを襲い、弱い個体をいじめる 「優等生」イルカ…

  • 7

    日本国民の「韓国への感情」の深刻さを、韓国はまっ…

  • 8

    韓国軍、北朝鮮対抗で発射のミサイルがまさかの異常…

  • 9

    チョコが大好物で、食材の無駄は許さない...お抱え料…

  • 10

    見えてきたウクライナの「勝利」...ロシア撤退で起き…

  • 1

    ロシア軍がミサイル発射「大失敗」、ロシア国内の住宅地に着弾する瞬間の映像

  • 2

    キャサリン妃に「冷え切った目」で見られ、メーガン妃が激しく動揺した場面が話題に

  • 3

    超大質量ブラックホールが3年以内に大規模な衝突を起こすおそれ

  • 4

    下着モデルをとっかえひっかえ...不倫騒動アダム・レ…

  • 5

    ロシア警察、反戦詩人の肛門にダンベルで暴行

  • 6

    お色気バラドルから王室へ メーガン妃「サクセス」…

  • 7

    キャメロン・ディアスが告白「プールで◯◯しちゃった」

  • 8

    メーガン妃はイギリスで、キャサリン妃との関係修復…

  • 9

    ウクライナの「投降ホットライン」がロシア兵の命綱に

  • 10

    実写版『バービー』主演女優 ビジュアル完璧も、そ…

  • 1

    メーガン妃はイギリスで、キャサリン妃との関係修復を狙ったが失敗した(王室専門家)

  • 2

    ロシア軍がミサイル発射「大失敗」、ロシア国内の住宅地に着弾する瞬間の映像

  • 3

    キャサリン妃に「冷え切った目」で見られ、メーガン妃が激しく動揺した場面が話題に

  • 4

    エリザベス女王が、リリベットとの写真を断った「も…

  • 5

    なぜこんな不仲に...キャサリン妃に対するヘンリー王…

  • 6

    女王の棺に「敬礼」しなかったヘンリー王子...メーガ…

  • 7

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 8

    カミラ夫人「いわくつき」シャネルバッグを、多くの…

  • 9

    ロシア警察、反戦詩人の肛門にダンベルで暴行

  • 10

    バイデン大統領が女王葬儀で「スタンド席」に座らさ…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集
日本再発見 シーズン2
World Voice
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
ニューズウィーク日本版ウェブエディター募集

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中

STORIES ARCHIVE

  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月