最新記事

米暴動

【世論調査】アメリカ人の過半数が米軍による暴動鎮圧を支持

Majority of Americans Support Calling in Military to Quell National Unrest

2020年6月3日(水)18時20分
ジェイソン・レモン

マンハッタンで警官隊と対峙するデモ隊(6月2日) Jeenah Moon-REUTERS

<民主党支持者の間でも半数近くが米軍の出動を支持していることが判明した>

全米に広がる暴動の取り締まりについて聞いた新たな世論調査で、アメリカ国民の過半数、民主党支持者の間でも半数近くが、軍隊を動員して地元警察を支援することに賛成であることが明らかになった。5月25日にミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドが警察に首を押さえられて死亡した事件に対する怒りがきっかけで全米に抗議デモが広がり、その一部が暴徒化して略奪などをはたらいている。

米調査会社モーニング・コンサルトは、5月31日から6月1日にかけて世論調査を実施。その結果、回答者の58%が、全米で発生している抗議活動や暴動の取り締まりについて、警察とともに軍隊を動員することに賛成と回答した。反対は回答者の30%にとどまった。

さらに、回答者の3分の1の33%が軍隊の派遣に「大いに」賛成、4分の1の25%が「ある程度」賛成、と回答した。一方、米軍の動員に「大いに」反対するとした回答者は全体の19%、「ある程度」反対するとした回答者は11%にとどまった。この調査の誤差範囲は、プラスマイナス2ポイントとなっている。

軍隊を派遣する案を支持する割合は共和党支持者の間で高く、77%が賛成している。民主党支持者でも48%が賛成と答えた。また、無党派層も52%が賛成している。

フロイドは5月25日、偽の20ドル紙幣を使おうとした容疑でミネアポリス警察に身柄を拘束された後に死亡した。ネット上で拡散した動画には、白人警察官のデレク・ショービンフロイドを押さえ込み、9分間近くにわたって首にひざを押し当てる様子が映っていた。

ドナルド・トランプ大統領は6月1日夕刻、全米に向けて演説を行い、暴動鎮圧のために軍隊を派遣することも辞さないと警告した。「市や州が、住民の生命と財産を守るために必要な行動をとることを拒否するなら、私は合衆国軍を配備し、住民のために迅速に問題を解決する」

(翻訳:ガリレオ)

<参考記事>全米暴動、トランプは米軍を投入するのか
<参考記事>警官と市民の間に根深い不信が横たわるアメリカ社会の絶望

20200609issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月9日号(6月2日発売)は「検証:日本モデル」特集。新型コロナで日本のやり方は正しかったのか? 感染症の専門家と考えるパンデミック対策。特別寄稿 西浦博・北大教授:「8割おじさん」の数理モデル

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英製造業、今なおブレグジットの弊害と格闘=調査

ワールド

バイデン氏、6日にG7首脳とオンライン会合開催=ホ

ビジネス

国債の銘柄別保有、7割超えで取引減 日銀レビューで

ワールド

米上下院、24年度歳出法案巡り近く超党派協議入りへ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イスラエルの過信
特集:イスラエルの過信
2023年12月12日号(12/ 5発売)

ハイテク兵器が「ローテク」ハマスには無力だった ── その事実がアメリカと西側に突き付ける教訓

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    下半身ほとんど「丸出し」でダンス...米歌手の「不謹慎すぎる」ビデオ撮影に教会を提供した司祭がクビに

  • 2

    周庭(アグネス・チョウ)の無事を喜ぶ資格など私たちにあるのだろうか?

  • 3

    「支援疲れ」が広がるなかで「プーチンの考え」を完全に読み違える西側諸国

  • 4

    下半身が「丸見え」...これで合ってるの? セレブ花…

  • 5

    「相手の思いに寄り添う」という創業者の思いへの原…

  • 6

    「歩く肺炎」の恐怖、耐性菌大国に忍び寄る子供たち…

  • 7

    男たちが立ち上がる『ゴジラ-1.0』のご都合主義

  • 8

    上半身はスリムな体型を強調し、下半身はぶかぶかジ…

  • 9

    紅海で艦船攻撃、米軍をも脅かすイエメン・フーシ派…

  • 10

    米空軍の最新鋭ステルス爆撃機「B-21レイダー」は中…

  • 1

    最新の「四角い潜水艦」で中国がインド太平洋の覇者になる?

  • 2

    完全コピーされた、キャサリン妃の「かなり挑発的なドレス」への賛否

  • 3

    「大谷翔平の犬」コーイケルホンディエに隠された深い意味

  • 4

    ロシアはウクライナ侵攻で旅客機76機を失った──「不…

  • 5

    米空軍の最新鋭ステルス爆撃機「B-21レイダー」は中…

  • 6

    ミャンマー分裂?内戦拡大で中国が軍事介入の構え

  • 7

    男たちが立ち上がる『ゴジラ-1.0』のご都合主義

  • 8

    下半身ほとんど「丸出し」でダンス...米歌手の「不謹…

  • 9

    <動画>ロシア攻撃ヘリKa-52が自軍装甲車MT-LBを破…

  • 10

    下半身が「丸見え」...これで合ってるの? セレブ花…

  • 1

    <動画>裸の男が何人も...戦闘拒否して脱がされ、「穴」に放り込まれたロシア兵たち

  • 2

    <動画>ウクライナ軍がHIMARSでロシアの多連装ロケットシステムを爆砕する瞬間

  • 3

    「アルツハイマー型認知症は腸内細菌を通じて伝染する」とラット実験で実証される

  • 4

    戦闘動画がハリウッドを超えた?早朝のアウディーイ…

  • 5

    リフォーム中のTikToker、壁紙を剥がしたら「隠し扉…

  • 6

    <動画>ロシア攻撃ヘリKa-52が自軍装甲車MT-LBを破…

  • 7

    ロシアはウクライナ侵攻で旅客機76機を失った──「不…

  • 8

    ここまで効果的...ロシアが誇る黒海艦隊の揚陸艦を撃…

  • 9

    また撃破!ウクライナにとってロシア黒海艦隊が最重…

  • 10

    またやられてる!ロシアの見かけ倒し主力戦車T-90Mの…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中