最新記事

感染症

米6州で新型コロナ感染が過去最多を更新 屋外でのマスク着用義務化広がる

2020年6月19日(金)16時02分

米国では18日、少なくとも6州で新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者が過去最多を更新し、複数の都市でマスク着用義務化の動きが強まった。2日撮影(2020年 ロイター/Joshua Roberts)

米国では18日、少なくとも6州で新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者が過去最多を更新し、カリフォルニア、ノースカロライナ両州や複数の都市ではマスク着用の義務化ないし義務化への動きが強まった。

フロリダ州の新規感染者は3207人と、1週間で2度目の最多更新となった。同州オレンジ郡のジェリー・デミングス保安官はマスク着用を義務化し、再度の封鎖措置の回避に役立つと住民に訴えた。

カリフォルニア州では2日連続で新規感染者が4000人を上回った。ニューサム知事は外出時の原則マスク着用を命じた。

アリゾナ州でも新規感染者数が過去最多を更新。州知事が各市にマスク着用規制導入の権限を認めたのを受け、ツーソン市はマスク着用を義務化し、フェニックス市はマスク着用義務化に関する投票を実施する準備を進めた。両市とも市長は民主党所属。

ノースカロライナ州のクーパー知事(民主党)は記者団に、「この防護具があなたの命を救うかもしれない」と強調し、マスク着用の義務化を検討していると明らかにした。この日は州内の新型コロナ感染症の入院患者が過去最多となった。

一方、トランプ大統領は18日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、一部の人々は自身への不支持を示すためにマスクを着用しているとの見方を表明。マスク着用の拒否は党派的な問題と捉える向きもある。

ただ、ラスベガスのカジノやホームセンターなど多くの商業施設ではマスク着用が求められており、国内で着用は一般的になりつつある。

テキサス州では州の主要9都市の市長がアボット知事(共和党)に、マスク規制の導入を市長の権限として認めるよう求めた。

オクラホマ州は新型コロナ新規感染者が2日連続で過去最多を更新。トランプ氏が20日に選挙集会を予定しているタルサ地域の当局は、全参加者にマスク着用を呼び掛け、スタッフには防護具を提供する方針を示した。

同集会は米国で開催される屋内の集会としては、ここ3カ月で最大規模となる見通し。保健の専門家らはアリーナに数千人が集まり、多くの人がマスクを着用しなければ、1人の発症者から多人数に感染する「スーパースプレッダー」の現象が起きる可能性があるとして懸念を示している。

ロイターの集計によると、米国の新型コロナ感染者は18日に2万6357人増え、約220万人となった。増加数は約2週間で最大。死者は684人増え、11万8377人だった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染41人 6月の感染合計440人に
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・感染者・死者ともにASEAN最悪に インドネシア、新型コロナ感染拡大しても規制緩和の愚策
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200623issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月23日号(6月16日発売)は「コロナ時代の個人情報」特集。各国で採用が進む「スマホで接触追跡・感染監視」システムの是非。第2波を防ぐため、プライバシーは諦めるべきなのか。コロナ危機はまだ終わっていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、中南米に100億ドル融資枠 地域閣僚級会合で

ビジネス

英労働市場の冷え込み続く、被雇用者数が減少 賃金の

ビジネス

コスモエネルギーHD、今期は減収減益を予想 原油価

ビジネス

ホンダ、今期の営業利益5割減予想 米関税や円高が下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王子との微笑ましい瞬間が拡散
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 6
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 7
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 8
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ロシア艦船用レーダーシステム「ザスロン」に、ウク…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 8
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中