最新記事

感染症対策

ニューヨーク都市圏3州、コロナ感染急増する南部8州からの訪問者に隔離義務付け

2020年6月25日(木)12時24分

米ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカットの3州の知事は24日、新型コロナウイルスの感染率が高い州から訪れる人に14日間の自主隔離を義務付けると発表した。写真はニューヨーク州のクオモ知事。10日撮影(2019年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)

米複数州で経済再開に伴い新型コロナウイルス新規感染者数が急増する中、ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカットの3州の知事は24日、ウイルス感染率が高い州から訪れる人に14日間の自主隔離を義務付けると発表した。

対象となるのは主に南部の州で、アラバマ、アーカンソー、アリゾナ、フロリダ、ノースカロライナ、サウスカロライナ、テキサス、ユタの8州。当初はワシントン州が含まれていたが、同州知事は後刻、それは誤りだったと発表した。対象は新規感染者の増加数に基づいて決定されたという。

一方、ホワイトハウスのディアー報道官は、トランプ大統領には同措置は適用されないとの認識を示した。大統領は民間人ではなく、周囲のスタッフや記者団らは全て新型コロナウイルス検査で陰性が確認されているとした。同大統領はアリゾナ州から戻ったばかりで、今週末にニュージャージー州を訪問する予定となっている。

自主隔離措置を義務付けた3州の知事はすべて民主党。

自主隔離措置は25日午前0時から実施され、初回の違反には1000ドル、違反が繰り返された場合は5000ドルの罰金が課される。

ロイターの集計によると、23日時点の米国内の新規感染者数は約3万6000人と、4月下旬以降で最多を記録し、過去2番目の水準に達した。

州別ではフロリダでこの日5500人を超え、これまでの最多を記録。コロナ流行中にロックダウン(都市封鎖)措置を実施しなかったオクラホマ州でも最多となった。

22日以降、テキサスやアリゾナ、カリフォルニア、ミシシッピ、ネバダの各州で一日の感染者数が最多を更新しているほか、21日終了週の国内新規感染者数は25%急増した。

検査の陽性率も、アリゾナ州で20%に達するなど、少なくとも4州で平均2桁の水準となっている。一方、かつて米国のコロナ震源地とされたニューヨーク州では1%近辺まで改善した。

米国内での隔離措置は今回が初めてではない。ハワイ州では米本土から訪れる人に14日間の自主隔離を義務付けている。また、ニューヨークで流行が深刻だった時期には、フロリダとテキサス州がニューヨーク一帯の空港から到着した乗客に対し2週間の隔離を義務付けていた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・スウェーデンが「集団免疫戦略」を後悔? 感染率、死亡率で世界最悪レベル
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・東京都、新型コロナウイルス新規感染31人を確認 6日連続で20人超え
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタンとアフガン、即時停戦に合意

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳
  • 4
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中