最新記事

感染症対策

イギリス、15日から公共交通機関でマスクなど顔を覆う物の着用義務付け 違反には罰金も

2020年6月5日(金)14時50分

英国のシャップス運輸相は4日、同国でバス、鉄道、航空機、フェリーを利用する際、乗客はマスクなどで顔を覆うことが義務付けられると発表した。写真はロンドンで5月撮影(2020年 ロイター/Toby Melville)

英国のシャップス運輸相は4日、同国でバス、鉄道、航空機、フェリーを利用する際、乗客はマスクなどで顔を覆うことが義務付けられると発表した。6月15日から実施する。新型コロナウイルス感染拡大抑制のための規制が緩和されるにつれ、公共交通機関の利用が増加することが見込まれるため。

英政府はこれまで広範囲なマスク使用など顔を覆うことを強制するのに消極的だったが、シャップス運輸相は、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つことがより困難な公共交通機関ではこの措置の有効性が明確と説明。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関するこの日の定例記者会見で、「顔を覆うことには、感染拡大抑制に対して限定的ながら一定の防御効果があることを示す根拠が見られる」と述べた。

そのうえで、「医療用マスクは医療用として確保する必要があり、ここで言っているのは医療用のものではなく、自宅で簡単に作れる顔の覆いのことだ」と付け加えた。

3月23日のロックダウン(都市封鎖)開始以来、政府は国民に不要不急の公共交通機関利用を控えるよう呼びかけていた。現在は自動車の通行量は封鎖前の4分の3程度に回復しているが、鉄道利用率は10%にとどまり、ロンドン市外のバス利用率は20%前後となっている。しかし、今後数週間で人々が職場に復帰していくことから、利用増が予想されている。

顔を覆っていない場合は公共交通機関の利用は認められず、罰金が科される可能性がある。小児と障がい者、呼吸が困難な人は対象外。

この規則はイングランドのみで適用されるが、シャップス運輸相はスコットランド、ウェールズ、北アイルランドの当局も類似の措置を講じるだろうとの見方を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染28人 4日連続で2桁台
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・イギリス、新型コロナ死者5万人突破 世界で2番目の多さ
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200609issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月9日号(6月2日発売)は「検証:日本モデル」特集。新型コロナで日本のやり方は正しかったのか? 感染症の専門家と考えるパンデミック対策。特別寄稿 西浦博・北大教授:「8割おじさん」の数理モデル

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

MUFG、印ノンバンクに40億ドル以上出資へ=関係

ワールド

訪日客11月は10.4%増、紅葉で好調続く 中国は

ビジネス

日経平均は反発、米雇用統計通過で安心感 AI関連も

ワールド

ブラジル中銀、金利据え置き戦略は適切と現時点で結論
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 7
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中