最新記事

感染症対策

レムデシビル治験結果、最も有効なのは酸素供給必要な患者=米国立衛生研究所

2020年5月25日(月)11時03分

米国立衛生研究所(NIH)は22日、ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス感染症治療薬「レムデシビル」の臨床試験で、人工呼吸器は必要ないが酸素供給が必要な患者に対して最も効果的であることが示されたと明らかにした。写真はレムデシビル。4月8日、ドイツのハンブルクにあるエッペンドルフ大学医療センターで行われた会見で撮影。代表撮影(2020年 ロイター)

米国立衛生研究所(NIH)は22日、ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス感染症治療薬「レムデシビル」の臨床試験で、人工呼吸器は必要ないが酸素供給が必要な患者に対して最も効果的であることが示されたと明らかにした。

治験の結果は専門家による査読を受けて、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。

レムデシビルを投与された患者が回復するまでの日数はプラセボ(偽薬)を投与したより4日(31%)短かった。最も大きな効果が表れたのは人工呼吸器は装着していないが、酸素供給が必要な比較的重症な患者だった。

今回発表されたデータは、NIHが前月に公表した暫定結果と同様の内容となった。2月に開始した治験は10カ国で行われ、1063人が参加している。

研究者によると、追加の試験結果も踏まえると、レムデシビルの投与を受けた患者の死亡率は7%と、偽薬投与者の12%を下回った。ただ、意義のある差異ではなかった。

研究者らは「新型コロナ感染症の患者を特定し、肺疾患が人工呼吸器が必要なレベルに進行する前に抗ウイルス治療を始める必要性が明確になった」と指摘。

また、「レムデシビルを使っても死亡率が高いことを踏まえ」ると、他の治療薬との併用で効果が高まる可能性が高いとした。

ギリアドは同社が独自で実施している、症状が中程度の新型コロナ患者を対象とする治験の結果を月末に公表する見通しだと明らかにした。

同社のマーダッド・パーシー最高医療責任者は文書で「レムデシビルと他の治療薬の併用が効果向上につながるかどうかについて把握するため、併用試験の開始に期待している」と表明した。

米食品医薬品局(FDA)は5月1日にレムデシビルの緊急使用を承認。ギリアドはレムデシビル150万回投与分、患者数にして14万人以上の治療を可能にする量を寄付すると約束し、病院に供給している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、3段階で休業解除へ 感染増加すれば東京アラートでレインボーブリッジ赤点灯
・東京都、新型コロナウイルス新規感染14人に急増 緊急事態宣言解除の目安、3項目中2項目が基準下回る
・コロナ独自路線のスウェーデン、死者3000人突破に当局の科学者「恐ろしい」
・韓国クラスター発生の梨泰院、BTSメンバーら芸能人も 感染者追跡の陰で性的マイノリティへの差別も


20200526issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月26日号(5月19日発売)は「コロナ特効薬を探せ」特集。世界で30万人の命を奪った新型コロナウイルス。この闘いを制する治療薬とワクチン開発の最前線をルポ。 PLUS レムデジビル、アビガン、カレトラ......コロナに効く既存薬は?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、FRB次期議長の承認に自信 民主党の支

ワールド

エプスタイン文書追加公開、ラトニック・ウォーシュ両

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 7
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 10
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中