最新記事

感染症

米CDC「新型コロナウイルス、ホームレス施設で急速に感染拡大」

2020年4月23日(木)11時10分

米疾病対策センターは、国内のホームレス施設での新型コロナウイルス感染状況を調査した週報を公表した。多くの人が集団で生活し、ソーシャルディスタンスを確保するのが難しいホームレス施設では、ウイルスの感染が急速に広がると指摘した。写真は3月、ニューヨークで撮影(2020年 ロイター/Carlo Allegri)

米疾病対策センター(CDC)は、国内のホームレス施設での新型コロナウイルス感染状況を調査した週報を公表した。多くの人が集団で生活し、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保するのが難しいホームレス施設では、ウイルスの感染が急速に広がると指摘した。

また、ホームレスの人は基礎疾患を抱える人が多く、重症化のリスクが高いという。

CDCは、クラスター(集団感染)が発生したホームレス施設、感染者が1人だけ確認された施設、まったく感染が確認されていない施設で、スタッフを含めて全員にウイルス検査を行った。

過去2週間の間に2人以上の感染者が出たボストン、サンフランシスコ、シアトルの5つの施設では、陽性反応が出た人の割合は居住者で17─66%、スタッフで17─30%に達した。

感染者1人が確認されたシアトルの12の施設では、陽性者は居住者で5%、スタッフで1%だった。

全く感染者が確認されていないアトランタの19のホームレス施設でも、居住者の4%、スタッフの2%で感染が確認された。

CDCは、クラスターが発生した施設では、スタッフも含め全ての人のウイルス検査を行うことが重要なだけでなく、可能ならば1人でも感染が出た時点で全員の検査を行うべきだと指摘した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・「新型コロナウイルス第2波、今冬に米国を襲う より大きな影響も」米CDC局長
・金正恩重体説に飛びつく期待と幻想
・米ジョージア州が「ロックダウン破り」、濃厚接触でも営業再開を待ちきれず
・日本がコロナ死亡者を過小申告している可能性はあるのか?


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ大統領、内国歳入庁長官を解任 代行はベセン

ワールド

米ロ首脳、15日にアラスカで会談 ウクライナ戦争終

ビジネス

アングル:米関税50%の衝撃、インド衣料業界が迫ら

ワールド

プーチン氏、中印首脳らと相次ぎ電話会談 米特使との
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何か?...「うつ病」との関係から予防策まで
  • 3
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トップ5に入っている国はどこ?
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 6
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 7
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 8
    今を時めく「韓国エンタメ」、その未来は実は暗い...…
  • 9
    パリの「永遠の炎」を使って「煙草に火をつけた」モ…
  • 10
    「ホラー映画かと...」父親のアレを顔に塗って寝てし…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中