最新記事

感染症

NY州、新型コロナウイルス感染3万人超に増加 入院率は低下の兆候

2020年3月26日(木)09時12分

米国で新型コロナウイルスの感染状況が最も深刻なニューヨーク州で感染拡大ペースが鈍化しつつある兆しが出てきた。一方、ルイジアナ州ニューオーリンズなど他の地域では事態の深刻さが増している。ニューヨークのマンハッタンで撮影(2020年 ロイター/Carlo Allegri)

米国で新型コロナウイルスの感染状況が最も深刻なニューヨーク州で感染拡大ペースが鈍化しつつある兆しが出てきた。一方、ルイジアナ州ニューオーリンズなど他の地域では事態の深刻さが増している。

ニューヨーク州のクオモ知事は25日、同州で導入した新型コロナウイルス感染防止に向けた措置が奏功しているもようで、過去数日に入院率の低下が確認されたと述べた。ただその上で、まだやるべきことが多くあると気を引き締めた。

さらに、ニューヨーク市当局と合意した追加措置の導入も発表。車両通行止めを試験的に実施し、「社会的距離」を確保できるよう歩行者に公道を開放する。また、公園でのバスケットボールなどのコンタクトスポーツを制限する。当面は自粛を求めるが、違反者が続けば禁止措置を取るという。

クオモ知事によると、ニューヨーク州の感染者数は過去24時間で5000人超増え、累計で3万人を突破。ニューヨーク市だけで1万7800人を超えている。同州での新型コロナ感染症による死者は計285人。

ただ、入院率が倍になるペースは22日時点の2日おきから23日時点で3.4日おき、24日時点では4.7日おきと減速し、事業の閉鎖や集会制限などの措置が奏功していることを示しているという。

知事は「これは非常に良い兆候だ。100%正確かは分からないがグラフの曲線は正しい方向に向かっている」と述べた。

一方、ルイジアナ州最大の都市ニューオーリンズでは25日正午までの24時間に新たな感染者が30%急増。米国内の新たな震源地になりつつある。

米国全体では約6万人が感染、死者は少なくとも812人に上っている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・アメリカ、新型コロナウイルス感染3.3万人・死者400人に倍増 全米の半分近くが外出禁止に
・新型コロナウイルスは恐れを知らない若者にも感染し、重症化する
・日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?


20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウ代表団、今週会合 和平の枠組み取りまとめ=ゼレ

ビジネス

ECB、利下げ巡る議論は時期尚早=ラトビア中銀総裁

ワールド

香港大規模火災の死者83人に、鎮火は28日夜の見通

ワールド

プーチン氏、和平案「合意の基礎に」 ウ軍撤退なけれ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中