最新記事

新型コロナウイルス

横浜クルーズ船から米国人が下船 中国の新たな新型ウイルス感染者は減少

2020年2月17日(月)08時40分

 2月16日、神奈川県の横浜港に検疫のため停泊し、新型コロナウイルスの集団感染が発生しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から米国人が下船した。写真はバスに乗り込んだ下船者。2月27日、横浜市で撮影。(2020年 ロイター/Athit Perawongmetha)

横浜港に検疫のため停泊し、新型コロナウイルスの集団感染が発生しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から米国人が16日、下船した。退避に向け派遣されたチャーター機で帰国する。

船内では16日夜、米国人に下船する準備を呼び掛けるアナウンスが流れた。

米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は米紙ワシントン・ポストに対し、クルーズ船で感染が確認された米国人44人は、日本に残り治療を受けると述べた。

同所長はまた、CBSニュースの番組に対し「症状のある人はチャーター機には搭乗できない。そのほかの人は直ちに米空軍基地に向かう」と語った。

カナダ、イタリア、韓国、香港の乗客らもそれぞれの政府の発表を受け、帰国に向け下船する見通しだ。

米国人のある乗客は、ロイターに対し「数時間で出発する。詳しいことは分からないが、テキサスかネブラスカに行く可能性がある」と話した。

同クルーズ船では新たに70人の感染が確認され、感染者は合計で355人となった。

中国当局の16日の発表によると、新型コロナウイルスの新たな感染者は2009人で、前日の2600人超から減少した。当局は、感染拡大の封じ込めに向けた取り組みが奏功している兆候だとしている。

中国国家衛生健康委員会の報道官は、記者団に対し「コロナウイルスの抑制効果が表れつつある」と語った。

中国本土での感染者数は、累計6万8500人となった。死者は143人増え、1665人となった。

中国本土以外では中国からの渡航者を中心に500人超の感染が確認されており、死者5人。

報道官は、重症患者の比率が15日時点で21.6%と1月27日の32.4%から低下したことに言及。より迅速な患者の治療が可能となり、症状の重症化防止につながっていると説明した。

英エディンバラ大学の感染症疫学分野のマーク・ウールハウス教授は、これらの数字が湖北省での感染のピークを示唆しているのであれば「世界の他の地域にとっても、朗報となるだろう」と語った。

その上で「医療サービスに大きな圧力がかかっている状況で、事例の報告が追い付いていないだけという可能性もあり、注意が必要だ」と指摘した。

*内容を追加して再送します。



ロイター


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

フジHD、33.3%まで株式買い増しと通知受領 村

ビジネス

アングル:日本株の年末需給、損益通算売りの思惑 グ

ビジネス

インタビュー:ラピダス半導体にIOWN活用も、供給

ワールド

インドの卸売物価、11月は前年比-0.32% 下落
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中