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中国監視網の実力発揮? ウイルス感染者をチェックできる官製アプリにアクセス1億件!

China's Coronavirus App Uses Mass Surveillance to Track Citizen Infections

2020年2月13日(木)16時20分
ジェイソン・マードック

アプリはユーザーが感染者(またはその疑いがある人)と一緒に仕事をしたか、生活をしたか、同じ交通機関を使ったか、などを2週間前まで遡って調べてくれる「便利で効率的な」ツール(衛生当局)だ。サウスチャイナ・モーニングポスト紙によれば、これまでの検索件数は1億件以上にのぼるという。

新華社通信によれば、エアコン付きの列車では同じ車両にいた全ての乗客が「濃厚接触」をしたと見なされる。航空機の場合は、感染者の前後3列以内にいた人がそれに該当する。

アプリの説明ページには、「新型コロナウイルスは複雑な感染症であり、検索結果はあくまで参考にすぎません。自分の健康状態に細心の注意を払ってください」と書かれている。「ウイルスに関連のある症状が出た場合には、専門の医療機関で受診してください」

さらにこうも書かれている。「アプリを使用する際には、データ利用の安全性に留意し、関連する法律や規則を遵守してください。また本ツールが提供するデータを使って、他人の評判を貶めたり、プライバシーを侵害したりすることは禁止します」

便利だが、それだけ恐ろしいツールでもあるということだ。

(翻訳:森美歩)

<参考記事>14億人を格付けする中国の「社会信用システム」本格始動へ準備
<参考記事>中国の社会信用システム、「マナーの悪い飼い主は犬を没収」の恐怖

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