最新記事

香港

香港で民主派デモが再開、警察の催涙ガス攻撃も復活

Hong Kong Police Fire Tear Gas as Protesters Return to Streets

2019年12月2日(月)15時50分
ダニエル・ポリティ

アメリカとトランプに感謝し、米総領事館に行進するデモ隊も Thomas Peter-REUTERS

<民主派が圧勝した区議選から1週間。穏やかな日々は続かなかった>

11月24日の区議会選挙(地方議会)から1週間、香港では民主派による大規模なデモ(および警察による催涙ガス攻撃)が再開された。これだけの規模のデモが起きるのは、区議会選挙で民主派が勝利を収めて以降、初めてのことだ。

12月1日に行われたデモは3つで、いずれも警察から許可を得ていた。うち2つは平和的に行われたが、残る1つでは警察との衝突が起き、警察によれば一部のデモ隊が許可されたルートを進もうとせず、警官隊に攻撃を仕掛けてきたという。

衝突が起きたデモ隊は最も規模が大きく、高齢者も含む多様な参加者がにぎやかなショッピング街を埋め尽くした。警察は催涙ガスを発射してデモ隊を蹴散らし、数人を逮捕した。

警察の声明によれば「一部の過激なデモ隊が警官隊にレンガを投げた。これに対し警官隊は、彼らの違法な行動を阻止するため、催涙ガスを含む必要最低限の武力を行使した」という。

トランプに感謝も

また、アメリカ政府のデモ隊への支援を感謝するため、数百人が米総領事館に向けて行進した。多くの参加者が星条旗を振り、「香港人権・民主主義法」が成立したことへの謝意を示した。同法は香港における人権侵害に関与した中国と香港の当局者への制裁を認めるというもので、11月27日にドナルド・トランプ大統領が署名した。「香港を再び偉大に」という横断幕も掲げられた。

<参考記事>隠れ家に逃走手段など 香港デモの若者たちを支える市民の輪
<参考記事>トランプ「香港人権法」署名に中国報復警告──日本は?

数日前には、シルベスター・スタローン演じたロッキーの体にトランプの顔をコラージュしたポスターを掲げ、トランプへの謝意を示し練り歩いた人々もいた。

香港のデモは6月、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案を巡って始まった。改正案は白紙撤回されたものの、デモ隊の要求は拡大している。

(翻訳:村井裕美)

20191210issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月10日号(12月3日発売)は「仮想通貨ウォーズ」特集。ビットコイン、リブラ、デジタル人民元......三つ巴の覇権争いを制するのは誰か? 仮想通貨バブルの崩壊後その信用力や規制がどう変わったかを探り、経済の未来を決する頂上決戦の行方を占う。

© 2019, Slate

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い

ワールド

米航空会社、北東部の暴風雪警報で1000便超欠航

ワールド

ゼレンスキー氏は「私が承認するまで何もできない」=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 9
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中