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核イラン、核合意停止第4弾として1044台の遠心分離機にウランガス注入へ

イランのロウハニ大統領(写真)は、2015年の核合意で定められた義務に違反する措置をさらに導入し、6日に中部フォルドゥの核関連施設で1044台の遠心分離機にガスを注入すると表明した。ニューヨークで9月撮影(2019年 ロイター/Brendan Mcdermid)
イランのロウハニ大統領は5日、2015年の核合意で定められた義務に違反する措置をさらに進め、6日から中部フォルドゥの核関連施設で1044台の遠心分離機にウランガスを注入すると表明した。
2015年核合意でイランは、フォルドゥの施設を「原子力・物理学・技術センター」に転換し、同施設の遠心分離機はアイソトープ生産などウラン濃縮以外の目的に使用することに同意していた。
核合意を離脱した米国の制裁強化で経済が疲弊するイランは、核合意の履行を停止する措置を段階的に導入している。
フォルドゥの遠心分離機はガスを注入しない場合に限り稼働が認められており、ガスを注入すれば、核合意で禁止されている同施設でのウラン濃縮が可能になる。
ロウハニ大統領は、国営テレビで生放送された演説で「核合意の履行停止第4弾の一環として、6日からフォルドゥの遠心分離機にガスを注入する」と述べた。
イランのガリブアバディ国際原子力機関(IAEA)担当大使は、同施設での六フッ化ウラン注入を6日に開始するとIAEAに通知したことを明らかにした。注入開始により、フォルドゥは核合意で認められた研究施設ではなく、稼働中の核施設となる。
イラン原子力庁のサレヒ長官は、6日からフォルドゥで濃縮度5%にウランを濃縮すると明らかにした。必要なら濃縮度20%まで引き上げることが可能だが、「現時点ではその必要性はない」と述べた。
核合意で定めた濃縮度の上限は3.67%。IAEAは7月、イランがウラン濃縮度を4.5%に高めていると指摘している。
ロウハニ大統領は英仏独に対し、核合意を存続させ、米経済制裁の打撃からイラン経済を守る措置を2カ月以内に講じるようあらためて要求した。
同大統領は「われわれが合意を完全に順守する一方で、他の署名国が順守しないということは受け入れられない」と強調。「(核合意に署名した国々が)合意を順守すれば、これらの措置は撤回することができる」とし、「イランは原油輸出や国内への資金の移動を認められるべきだ」と述べた。


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