最新記事

米中関係

国慶節のお祝いもアメリカは冷淡、中国は反発

China Gets U.S. Holiday Wish, But Says Its 'Petty Actions' Aren't Helping

2019年9月30日(月)19時44分
トム・オコナー

国慶節の祝典に向け、香港島中心部に中国建国70周年の横断幕を提げる労働者(9月30日、金鐘) Susana Vera-REUTERS

<中国建国70周年の慶事でも一歩も譲らない米中。貿易戦争も南シナ海を舞台にした対立も解決の糸口は見えない>

間もなく70年目の国慶節を迎える中国に対し、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官はこんな祝賀メッセージを送った。「アメリカ国民を代表し、10月1日に国慶節を祝う中国国民にお祝いを申し上げます。アメリカはこの先1年間の中国の人々の幸福、健康、平和、繁栄を祈ります」

とはいえ、実際の米中関係は、貿易戦争や南シナ海での睨み合いのただ中にある。先日も、中国が実効支配する南シナ海西沙(パラセル)諸島の海域を米海軍の艦艇が航行したばかりだ。こんな形ばかりの祝意を中国が素直に受け取れるはずもない。

「アメリカは、中国の祝日の直前につまらない陽動を行うのを非常に好む。だが、陽動ごとき中国軍や国家の発展に影響を与えることなどできはしない。それは歴史が証明している」と、中国国防省の報道官は9月29日の会見で述べた。「中国軍は整然とその義務を果たし、国家主権と安全保障、開発利益および世界の平和と安定を守る」

中国は資源に恵まれ船の往来も激しい南シナ海の広い海域に自らの主権が及ぶと主張し、軍事インフラの建設を加速し、周辺諸国と対立している。一方、アジア太平洋地域で推計279カ所もの基地を展開するアメリカは、こうした中国の行動を非難することで、自らの存在を誇示してきた。

中国は米高官の「傲慢と偏見」を非難

中国国防省は、23日に米議会調査局が出した報告書のことも激しく非難した。中国海軍が北大西洋における米海軍の支配権を脅かしている、とする報告書だ。米海軍がこれほどの脅威に直面するのは冷戦終結以来初めてだという。

だが中国国防省に言わせれば、はこうした表現は「一部のアメリカ高官の傲慢と偏見、そして冷戦期のゼロサム的メンタリティーを示している」と述べた。「ばかげた行いで、危険だ。中国側は断固として反対する」

通商問題でも対立したままだ。ドナルド・トランプ米大統領は24日の国連総会での演説で、対中関税で厳しい立場を崩していないことを示すとともに、不誠実な貿易慣行があると中国政府を批判した。

「アメリカ国民は中国とのバランスを取り戻すことにひたすら努めている」と、トランプは述べた。「うまくいけば、われわれは両国にとって利益となるような合意に達することができるはずだ。だがこれまでもはっきり述べてきた通り、アメリカは悪い取引を受け入れるつもりはない」

「両国の経済の規模や相互依存の水準を思えば、いわゆる『切り離し』や『相互にドアを閉める』の非現実的だ」と、王毅(ワン・イー)は米中ビジネス協議会のパーティーで述べた。本当にそう思うなら、事態打開のためどちらかが先に譲歩してもよさそうだが。

(翻訳:村井裕美)

20191008issue_cover200.jpg
※10月8日号(10月1日発売)は、「消費増税からマネーを守る 経済超入門」特集。消費税率アップで経済は悪化する? 年金減額で未来の暮らしはどうなる? 賃貸、分譲、戸建て......住宅に正解はある? 投資はそもそも万人がすべきもの? キャッシュレスはどう利用するのが正しい? 増税の今だからこそ知っておきたい経済知識を得られる特集です。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、イランと「主要な合意点」共有 23日も

ビジネス

年内利下げの見方維持、イラン紛争早期解決なら=米シ

ワールド

トランプ氏、イランのインフラ攻撃5日間延期 トルコ

ワールド

レバノン地上戦、イスラエル民間人初の死者 自軍の誤
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 3
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記者に、イスラエル機がミサイル発射(レバノン)
  • 4
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 7
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 8
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 9
    「筋力の正体」は筋肉ではない...ストロングマンが語…
  • 10
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中