最新記事

ドイツ

「空飛ぶハーケンクロイツだ」ドイツ遊園地の乗り物はナチスの象徴に似すぎていた

German Amusement Park Closes New Ride In Shape of Giant Swastikas

2019年8月22日(木)15時10分
クリスティナ・チャオ

問題の乗り物は空中でゴンドラが回転を始めると「鉤十字」のように見える euronews/YOUTUBE

<2本の軸に取りつけられた4つのゴンドラが「まるでナチスの鉤十字」とネットで炎上、遊園地側は即座に運転停止を決めた>

ドイツ南西部のレーッフィンゲンにある遊園地が、先月導入したばかりの乗り物の運転を停止した。ナチスの象徴である「鉤(カギ)十字」が回転しているように見えるという苦情が出たためだ。

このタズマニア遊園地は、7月後半に新設した乗り物「アドラーフルク(空飛ぶワシ)」の運転をいったん停止して、デザインを変更すると発表した。「2つの巨大な鉤十字のように見える」と、ニュース投稿サイトの「Reddit(レディット)」に動画や写真がアップされ、物議を醸していた。

動画を見たあるユーザーは、「まさに空飛ぶ鉤十字」とコメント。別のユーザーは「これがドイツにあるの? 遊園地はなぜこの形に気づかなかったのか」と書き込んだ。

遊園地の経営陣は、ソーシャルメディアに動画が投稿されるまで、乗り物の外見が鉤十字に似ていることには気づかなかったと釈明。見る人を不愉快にする形だと気付くとすぐに、運転停止とデザイン変更の検討を始めた。

ナチスを連想させるものは刑法で禁止

「乗り物が鉤十字の形をしていることには気付かなかった。製造業者のスケッチからは分からなかった」と、遊園地のルディガー・ブラウン社長(62)は独ビルト紙に語った。

「アドラーフルク」のデザイン変更費用は、イタリアの製造業者が負担するという。「これまでのデザインでは、片方の軸に2人乗りのゴンドラが4個ついていたが、それを3個に減らす」とブラウンは説明した。

ブラウンはまた、欧州放送連合(EBU)に対して、「このデザインによって気分を害した全ての人に心から謝罪したい」とも語った。「我々はこの問題に適正に対処する」

ドイツでは刑法で、鉤十字をはじめナチスを連想させるものの展示や掲示が禁止されており、これに違反した者は最大で禁錮3年の刑を科せられる可能性がある。

地元自治体の政治教育の担当者マイケル・ウェーナーは、タズマニア遊園地が残念なミスに迅速に対処したことを評価した。「すぐに対応したのは賢明だった。ナチスの象徴を公の場に置くことは法律違反で、遅かれ早かれ誰かに訴えられる羽目になっていただろう」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECBが金利据え置き、ドル安を静観 インフレ見通し

ビジネス

英中銀が金利据え置き決定、5対4の僅差 今後利下げ

ビジネス

米新規失業保険申請件数は2.2万件増の23.1万件

ビジネス

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 6
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 7
    関税を振り回すトランプのオウンゴール...インドとEU…
  • 8
    「反トランプの顔ぶれ」にMAGAが怒り心頭...グリーン…
  • 9
    習近平の軍幹部めった斬りがもたらすこと
  • 10
    日本経済低迷の主因である「空洞化」をなぜ総選挙で…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    日本はすでに世界有数の移民受け入れ国...実は開放的…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中