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ニューヨーク

NY大停電──暗闇の向こうで何が起こっていたか:在住者体験談

2019年7月19日(金)16時00分
安部かすみ

「暗闇なんてカンケーない!電力がなくてもできることはある」

ハプニングをも歌にして楽しむ人々
ニューヨークは、生きるパワーがみなぎる街。この日は一段とエンターテインメントが人々に活力を与えたようだ。

26のブロードウェイショーと、ジェニファー・ロペスなどのコンサートが中止になったが、人々はさまざまな方法で停電というハプニングを「サバイブ」した。

まだ明るい時間帯。カーネギーホールの外で、合唱団(Millennial Choirs and Orchestras)による即興演奏会がはじまった。


同じくカーネギーホール外での演奏。投稿者は地下鉄に1時間閉じ込められた後、この「感動の場」に辿り着いた。「このシーンこそ、ニューヨークたる瞬間」と投稿者談。


ミュージカル『Waitress』の出演者らによる即興演奏。47丁目のBrooks Atkinson劇場前にて。

54丁目のサパークラブ「Feinstein's/54 Below」にて。暗闇なんてカンケーない!と楽しむ人々。

停電のハプニングをも、陽気に歌にして乗り切る人々。ミュージカル『Hadestown』が中止となり、御歳73歳の出演俳優アンドレ・デ・シールズ(Andre De Shields)さんらが「土曜日に急に起こっちまった停電~」と、即興で歌にするのはさすが! 48丁目の「Walter Kerr」劇場前にて。

逆境に直面しても物事を成し遂げる人々の大胆さこそが、都市のパワー

「真のニューヨーカーは、タフで芯が強いの。そしてちょっとやそっとのことでは負けない」。私は、911同時多発テロを経験した友人の言葉を思い出す。

トラブルを深刻に取りすぎない。転んでもただでは起きない。時にジョークにして笑ってみたり、歌にして楽しんだりして、皆で力を合わせて逆境を乗り越える。

この大停電で、再びニューヨークという街とそこに生きる人々の底力を垣間見た。

【復旧時の人々の歓喜の様子】

※この記事は、ヤフー個人からの転載です。

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