最新記事

中国

中国「米中貿易」徹底抗戦と切り札は?――白書の記者会見から

2019年6月5日(水)13時50分
遠藤誉(筑波大学名誉教授、理学博士)

A:中国はレアアースが最も豊富な国ですが、中国は各国のレアアースに対するニーズに対して満足してもらえるよう、喜んで応じたいと望んでいる。しかし、もしある国が、中国が輸出しているレアアースで製造した製品を利用して、中国の発展を阻害しようとするのなら、これは情理上、受け入れがたいことだ。

(筆者注:レアアースはハイエンド製造業にとっては不可欠の原材料であり、アメリカがHuaweiに対して輸出禁止としたICチップなど様々な部品の製造には、中国から輸入したレアアースが不可欠だ。つまり、中国から輸入したレアアースを使って半導体を製造しながら、その半導体をHuaweiに輸出してはならないというのは、道理が立たないということを言っているわけだ。この表現は5月31日付けコラム<中国の逆襲「レアメタル」カード>で述べた、国家発展改革委員会の関係者が言った言葉と同じ言い回しだ。中共中央で既に共通認識ができ上がっている証拠で、同コラムで書いた5月20日の習近平の「江西視察」が本気度を物語っている。)

知的財産権(知財権)の収奪に関して

Q:(中央広播電視総台)アメリカは中国の企業が様々な手段でアメリカから価値のある技術や知財権を奪っていると非難していますが、これに関してどのように考えていますか?

A:中国はすでに重要な知財権大国だ。中国が昨年申請した特許件数は150万件以上に達しており、連続8年、世界一である。と同時に、中国は知財権貿易を行なっており、他国から知財権を購入したり、他国に知財権を販売したりしている。2001年における知財権購入のために中国が他国に支払った金額は19億ドルでしかなかったが、昨年(2018年)は知財権使用のために356億ドル支払っている。約19倍だ。その内、中国がアメリカに支払った知財権使用料は86.4億ドルに達する。中国全体の4分の1だ。このように中国は正当な対価を払って交易しているのであって、知財権を一方的に奪っているということはない。

Q:(アメリカCNNの質問の関連部分)少なからぬアメリカ人は中国で商業活動をするために投資することに対して憂慮しているが。

A:中国はつい最近(2019年3月の全人代で)「外商投資法」を制定したばかりだ。どの国であろうと外国の企業が中国に投資しようとした時には、中国企業側が相手国企業側に技術移転を要求することを禁止している。

「信頼できない企業」リスト → Appleを入れるか?

Q:(アメリカCNNの質問の関連部分)先週、中国は「信頼できない企業」リストを発表すると言っていたが、何だか不透明な方法でアメリカのハイテク巨大企業を攻撃しようとしているように見えるが...。

A:そのリストは主として市場の原則や契約精神に違反した企業に対するもので、非商業的目的で中国の企業に対して一方的にサプライチェーンを切断あるいは封鎖して中国企業の合法的な権益に損害を与えた企業を対象としている。これらの企業は国家安全と社会の公共利益や信頼性を失わせるものである。たとえばFedEx(フェデックス)の誤配送の問題などは典型的な例だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ビットコイン下げ止まらず7万ドル割れ、24年11月

ビジネス

米人員削減1月に急増、17年ぶり水準 UPSやアマ

ビジネス

英中銀が金利据え置き決定、5対4の僅差 今後利下げ

ワールド

中国外相、キューバ外相と会談 国家主権と安全保障を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 4
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 9
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 10
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 7
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中