最新記事

流言

「地球平面説」を信じる人が急増している その要因は......

2019年2月26日(火)17時30分
松岡由希子

「地球平面説」を信じる人が急増している  egal-iStock

<近年、急に「地球平面説」の主張やメッセージが広く拡散し、より多くの関心を集めている......>

「地球は球体ではなく平面である」とする地球平面説は、16世紀にマゼランが世界で初めて地球を周航し、地球が球体であることを証明した後も一部の人々に支持されてきた。とりわけ近年、ソーシャルメディアネットワークなどを介して地球平面説の主張やメッセージが広く拡散し、より多くの関心を集めているようだ。

特定のキーワードでの検索回数をグラフ化するグーグルの無料ツール「グーグルトレンド」を使って「Flat Earth(地球平面)」の検索回数の推移を調べてみると、2015年以降、急激に増加していることがわかる。

matuoka0226b.pngGoogle Trendsから

「2年前まで地球が平面だとは考えていなかったが......」

米テキサス工科大学のアシュリー・ランドラム准教授は、2017年11月に米ノースカロライナ州で開催された「第一回地球平面国際会議」と2018年11月に米コロラド州で開催された「第二回地球平面国際会議」で参加者30名にインタビュー調査を実施し、2019年2月17日、アメリカ科学振興協会(AAAS)の年次総会でその調査結果を発表した。

英紙ガーディアンの報道によると、インタビュー対象者のうち29名は「2年前まで地球が平面だとは考えていなかったが、ユーチューブで地球平面説を唱える動画を閲覧して考えが変わった」と回答。残りの1名はユーチューブで動画を見た娘夫婦の話に影響を受けたという。

推奨対象から除外していくというユーチューブの方針

ユーチューブ上で公開されている動画には有益な情報も数多くあるが、誤報や流言も少なくない。ランドラム准教授は、ユーチューブが明らかに誤ったことをしているとは考えていないものの、既存のアルゴリズムには改善の余地があるとの見方を示している。

また、玉石混淆の様々な情報が大量に溢れる現代社会において「人々は、与えられる情報に対して厳しい目を持つべきだが、これにはバランスも必要だ」と説いている。

ユーチューブでは、2019年1月25日、公式ブログにおいて、地球平面説を主張する動画など、ユーザーに誤った情報を与えかねないコンテンツを推奨対象から除外していく方針を明らかにしている。

米国の専門家や審査員の協力を得て機械学習をベースとするレコメンドシステムを改善し、まずは米国の動画の一部に実装した後、精度が高まった段階で他の国々にも展開していく計画だ。

The Guardian-Flat Earth rising: meet the people casting aside 2,500 years of science

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

EXCLUSIVE-トランプ氏、原油高抑制策を検討

ワールド

トランプ氏、米地上部隊のイラン派遣巡る決定には「程

ワールド

情報BOX:G7、緊急石油備蓄の放出を検討 各国の

ワールド

仏、地中海・紅海へ海軍艦艇約12隻を派遣 同盟国防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ルートとは?...スクワットの真実
  • 4
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 5
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 6
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 7
    なぜ脳は、日本的「美」に反応する? 欧米の美とは異…
  • 8
    プーチンに迫る9月総選挙の暗雲
  • 9
    「溶けた金属のよう...」 ヨセミテ国立公園で「激レ…
  • 10
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 6
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中