最新記事

外交

中国、麻薬密輸のカナダ人に死刑判決 ファーウェイCFO逮捕が影響か

2019年1月15日(火)10時47分

1月14日、中国で麻薬密輸罪に問われたカナダ人男性、ロバート・ロイド・シェレンバーグ被告の差し戻し審で、遼寧省大連市の中級人民法院(写真)は死刑を言い渡した(2019年 ロイター/CHINA STRINGER NETWORK)

中国で麻薬密輸罪に問われたカナダ人男性、ロバート・ロイド・シェレンバーグ被告の差し戻し審で、遼寧省大連市の中級人民法院(地裁)は14日、死刑を言い渡した。被告は今後10日以内に上訴することができる。

これに先立ち、高級人民法院(高裁)は昨年末、一審判決の懲役15年は不当に軽いとして地裁に差し戻していた。

カナダのトルドー首相は記者団に対し「中国が恣意的に死刑の適用を選んだことはカナダや国際社会全体にとって重大な懸念である」と語った。

カナダで中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が米国の要請で12月初めに逮捕された後、中国ではカナダ国籍の2人が身柄を拘束されており、両国関係は緊張している。今回の判決を受けて関係がさらに悪化する可能性もある。

中国の国営テレビによると、シェレンバーグ被告は地裁の審理で、旅行客として中国を訪問中にぬれぎぬを着せられたと主張。同被告の弁護士はロイターに、死刑判決に対して控訴する公算が大きいと述べた。被告は判決後10日以内に控訴することが可能。

中国政府は国内の死刑執行数を機密事項として公表していないが、国際人権団体は年間2000人程度に上ると推定している。

拘束されたカナダ人の元外交官マイケル・コブリグ氏とビジネスマンのマイケル・スパバ氏については、中国の盧沙野・駐カナダ大使は前週、新聞記事で、「中国の自己防衛」だったとの見方を示したが、詳細には踏み込んでいない。

トルドー首相はコブリグ氏には一定の外交特権があるとの見解を示したが、中国側はこれを否定。中国外務省の報道官は、トルドー氏は「笑いものにならないよう」外交関係に関するウィーン条約を「真剣に勉強する」必要があると批判した。

トルドー氏は、コブリグ氏の扱いや中国の恣意的な司法の運用に関し、中国政府との対話に引き続き断固たる態度で臨む考えを示した。

[北京/オタワ 14日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 AI兵士の新しい戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月13号(1月6日発売)は「AI兵士の新しい戦争」特集。ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

シリア、アレッポでの一時停戦を宣言 クルド人勢力に

ビジネス

午前の日経平均は反発、ファーストリテが押し上げ バ

ワールド

メキシコ中銀、通商の不確実性と新関税で26年の利下

ワールド

南ア製造業PMI、12月は25年最低水準に 在庫と
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 7
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 8
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 9
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 10
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中