観光復興を目指すシリアの光と影
Syria Promoting Tourism
米国務省はシリア渡航に関する勧告で今なお「テロ、社会的混乱、武力衝突」が続いているため、あらゆる旅行を控えるよう警告。英政府もシリアの状況は「極めて不安定で危険だ」と述べ、国民に注意を呼び掛けている(編集部注:日本政府もレベル4の「退避勧告」を解除していない)。
それでもゼインによると、シリア政府は入国管理手続きで優先するなど、非アラブ系外国人の観光誘致に力を入れているようだ。隣国レバノン人はビザなしでも入国できるという。
ゼインは、人々に出会うだけでもシリアに旅する価値はあると話す。「何を差し置いてもダマスカスの市民は素朴で親切。寛大で情が深い」
皮肉にもこの国の最も魅力的な「観光資源」は、アサド政権が後生大事に守っていた文化財ではなく、化学兵器の標的にした市井の人々かもしれない。
<本誌2018年11月20日号掲載>
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