最新記事

中間選挙

「トランプ信者」は共和党支持者になるか 中間選挙で結束試されるMAGA運動とは?

2018年11月7日(水)12時00分

大統領自ら今回の中間選挙を「トランプ主義」に対する審判だと訴えるが。 REUTERS/Mike Segar

6日の中間選挙に向けて各地の集会を次々と渡り歩くトランプ米大統領は、今回の選挙について、2年前の大統領選で自らの地滑り的な大勝に導いた草の根運動と「トランプ主義」に対する審判だと訴えた。

「2018年、皆さんは私に投票することになる」──。共和党候補者を応援するためミズーリ州に駆けつけたトランプ大統領は先月下旬、赤い帽子をかぶり、沸き立つ聴衆に向かって語りかけた。「皆さんの1票は私への支持だ」

この訴えは、トランプ大統領と支持者が現在直面している困難を浮き彫りにしている。

中間選挙において、下院の過半数と主要な州知事ポストをライバルの民主党が奪還する可能性が高まる中で、トランプ政策が今後2年間で実現するかどうかは、自らの票を「トランプ」とは違う名前の候補者に集めることができるかどうかで決まる。

今回の選挙は、「Make America Great Again(米国を再び偉大に、MEGA)」というトランプ氏のスローガンの下に結集した人々が、まとまりのない個人崇拝的な支持から、大統領の支持基盤外の候補者まで後押しすることができる組織的な政治勢力へと、進化できるかを問う最初の現実的な試練となっている。

ロイターでは、共和党の選挙対策幹部18人の調査、世論調査で提携するイプソスからのデータ分析、さらに多数の選挙候補者やストラテジスト、トランプ支持者に行ったインタビューなどに基づいて、トランプ大統領が誇る「MAGA運動」がどの程度浸透して、影響力を持っているかについて調査した。

国境管理の厳格化、保護主義的な経済政策、一方的な外交などに代表されるトランプ大統領の「米国第一主義」下で結束したMAGA運動は、2016年の大統領選において、米国政治に置き去りにされていると感じており、その体制をひっくり返すというトランプ氏の誓いを歓迎する有権者を結集させた。

こうした動きは現在、「ティーパーティ」系の保守派、福音主義キリスト教徒、銃規制反対派、そしてトランプ大統領のアウトサイダー的なキャラクターに魅せられた労働者階級の支持を集めている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

円安、物価上昇通じて賃金に波及するリスクに警戒感=

ビジネス

ユーロ圏の銀行融資低迷、インフレ期待低下 利下げの

ビジネス

ドル一時急落、154円後半まで約2円 介入警戒の売

ワールド

中国主席「中米はパートナーであるべき」、米国務長官
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中