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貿易戦争

トランプ貿易戦争の新たな犠牲──ニューイングランドでロブスターが食べられなくなる

U.S. Lobster Biz Starting to Fold Under Trade War

2018年9月18日(火)18時00分
ニコール・グッドカインド

「ツケを払わされるのはいつも農家や漁師」写真はメーン州のロブスター漁 Brian Snyder-REUTERS

<中国のグルメ向け輸出で急成長していたロブスター業界がピンチ。トランプが中国製品に課した追加関税に対する報復で、中国がロブスターに高関税をかけたからだ>

ロブスターを堪能するなら、いまのうちだ。

ドナルド・トランプ米大統領が中国に仕掛けた貿易戦争は、広範囲にわたる経済に影響をもたらしており、米北西部にもおよんだ。メイン州やニューハンプシャー州などからなるニューイングランド地方では、ロブスターのアジア向け輸出が減ったために、価格下落とレイオフが相次いでいる。

わずか数カ月前まで、中国は、アメリカ産ロブスターの最大の輸出先のひとつだった。しかし、中国政府がロブスターに高い関税を課したため、中国の買い手はカナダ産のロブスターにシフトした。輸出向けの売り上げが落ち込み、従業員は解雇されている。

メイン州アランデルのロブスター・カンパニーは先ごろ、卸売業務を担当する従業員のうち25%をやむをえず解雇した。

同社を所有するステファニー・ナドーは、地元紙デイリー・ハンプシャー・ガゼットに対し、「変動費を削減し、あとはじっと嵐が過ぎ去るのを待つしかない」と述べた。「残った顧客を巡って全員で値下げを競わなければならない状況だ。価格が下がれば利益も下がる」

「中国を代替できるところはどこにもない。それが現実だ」と、ナドーは言う。「こんな状態がどのくらい続くのかわからず、誰もが途方に暮れている」

今はまだ観光シーズンなので、かろうじて営業を続けている。しかし、10月になって寒くなれば観光客もいなくなる。経費を賄えるのか、ナドーは気が気ではない。秋を乗り切ることはできたとしても、冬を生き延びるのは無理だという。

ロブスターは希少なものになる

中国は7月6日、トランプ政権が発動した中国製品に対する関税措置への報復として、アメリカから輸入される活ロブスターに25%の関税をかけた。一方、カナダからの輸入ロブスターに対する関税率は7%に引き下げられた。

ロブスターは米北西部の成長産業だった。メイン州の中国への活ロブスターの輸出量は、2016年の約1360トンから2018年には5440トンまで伸びていた。加工工場の数は2000年の5つから2017年の16まで3倍に増えた。だが貿易戦争が、それに急ブレーキをかけた。

水産業界向けのニュースサイト「seafoodnews.com」の編集者ジョン・サックトンは、「航空機が離陸を中断したようなものだ」と話す。

中国向けのロブスターの輸出額は、追加関税が発動された最初の月である7月、2年ぶりの低水準となった。6月と7月を比較すると、輸出額は64%も下落している。

アメリカ国内の消費者は、一時的には、ロブスターが値下がりしたと思うかもしれない。しかし、卸売会社が減益に耐え切れなくなれば、ロブスターは次第に希少なものとなり、ゆくゆくは価格が上昇するだろう。

ロブスター漁をする漁師たちも、生きる手段がなくなるのではないかと不安を抱えている。漁師のボブ・モリスはボストン・グローブに対してこう語った。「ツケを払わされるのは、いつだって農家や漁師なのだ」

(翻訳:ガリレオ)

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