最新記事

異常気象

人間活動がはじめて季節を変えた? 日本と世界を襲う記録的な猛暑の背景

2018年7月25日(水)16時30分
松岡由希子

人間が季節循環に影響を及ぼした? (C)science mag

<世界各地を襲う記録的猛暑。ちょうど異常気象にまつわる研究も多方面で発表されている>

日本では、2018年7月23日に埼玉県熊谷市で観測史上最高となる41.1度の気温を記録するなど、7月中旬以降、東日本から西日本までの広い範囲で、平年値に比べて3度以上も高い気温が続いている。

世界各地で記録的猛暑

このような記録的猛暑は日本だけにとどまらない。米国では、7月8日にカリフォルニア州デスバレー国立公園で最高気温52度となったほか、ロサンゼルス近郊のチノでも48.9度を記録した。

また、欧州では、アイルランド、イングランドの東部および南部、スカンジナビア半島南部、バルト諸国などを中心に、平年値より3度から6度ほど高い気温が継続。

北極圏に位置するノルウェーのテュスフィヨール市ドラッグ村で7月18日に最高気温33.7度を記録し、スウェーデンでは、記録的な猛暑と乾燥により、北西部のイェムトランド、中部のイェヴレボリやダーラナなど、これまでに50地点以上で森林火災が発生している。

EMS_IB.jpgスウェーデンの森林火災の様子

異常気象の発生人間活動によるものなのか?

熱波や猛暑をもたらす個々の事象が、生産活動や経済活動、社会活動などのいわゆる"人間活動"に伴う気候変動に起因するものだとは直ちに断言できないものの、人間活動が昨今の異常気象に直接または間接的な影響を及ぼしていることはすでに多くの研究成果が示してきた。

世界気象機関(WMO)によると、2011年から2016年までにアメリカ気象学会(AMS)の機関紙に掲載された研究結果131件のうち65%が「異常気象の発生確率は人間活動によって著しく影響を受けている」ことを明らかにしている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランに攻撃か、規模限定的 イランは報

ビジネス

米中堅銀、年内の業績振るわず 利払い増が圧迫=アナ

ビジネス

FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカ

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中