最新記事

ユーロ

イタリア、ポピュリズムと極右が再び連立合意 ユーロ懐疑派外す組閣で再選挙回避へ

2018年6月1日(金)08時26分

5月31日、イタリアの連立政権合意を受け、マッタレッラ大統領(写真右)は、法学教授のジュセッペ・コンテ氏(左)に改めて組閣を命じた。(2018年 ロイター/Italian Presidential Press Office/Handout via REUTERS)

イタリアの大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」が31日、連立政権樹立で再び合意した。これにより、総選挙から3カ月続いた政治空白が解消される見通し。ただ、両党が公約する歳出拡大計画に市場は警戒している。

両党は先週、法学者のジュセッペ・コンテ氏を首相に起用し、ユーロ懐疑派エコノミストのパオロ・サボーナ氏を経済相とする組閣案を提出。しかし、マッタレッラ大統領がサボーナ氏の指名を拒否したため、組閣は暗礁に乗り上げ、再選挙の可能性が出ていた。

その後の協議で、両党はサボーナ氏を経済相から外すことで合意。31日に連立政権の樹立で再び合意し、コンテ氏を首相に再指名したことを明らかにした。

合意を受け、マッタレッラ大統領に改めて組閣を命じられたコンテ氏は組閣案を提示。コンテ氏は大統領との会談後、記者団に「すべての国民生活の質を向上させる決意を持って取り組む」と述べた。

注目された経済相人事では、知名度の低い経済学者のジョバンニ・トリア氏を起用し、サボーナ氏は欧州担当相に指名。欧州担当相は経済相ほどの影響力はないが、欧州連合(EU)との交渉を担当することになる。

また、同盟のサルビーニ書記長が内相、五つ星運動のディ・マイオ党首は新たに創設された産業・労働担当相にそれぞれ就任し、2人とも副首相を兼務する。

外相には欧州担当相を務めたエンツォ・モアベロ・ミラネージ氏が就く。コンテ氏ら閣僚は6月1日に宣誓就任する。

新内閣に対する上下両院での信任投票は来週実施される。

連立合意により、市場は、ユーロ圏残留を巡る事実上の国民投票となり得た再選挙が回避されたことに安どした一方、イタリアの債務増加につながる新政権の大型歳出案を新たに懸念する可能性が高い。

[ローマ 31日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 日本人が知らない AI金融の最前線
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月3号(2月25日発売)は「日本人が知らない AI金融の最前線」特集。フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに[PLUS]広がるAIエージェント

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米CB消費者信頼感指数、2月は91.2に上昇 雇用

ワールド

ウクライナ大統領「独立守った」、ロ侵攻から4年 G

ワールド

米、重要鉱物価格設定にAI活用検討 国防総省開発

ビジネス

AIが雇用市場を完全に覆すことはない=ウォラーFR
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 6
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 7
    「極めて危険」──ゼレンスキー、ロシアにおける北朝…
  • 8
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 9
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 10
    武士はロマンで戦ったわけではない...命を懸けた「損…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中