最新記事

フランス

仏マクロンの支持率6月は過去最低に 福祉カットで年金層の不満呼ぶ

2018年6月25日(月)14時11分

6月24日、フランスで公表された最新の世論調査によると、マクロン大統領の支持率は6月に1%ポイント低下の40%となり、過去最低を更新した。EU委員会本部で会見する同大統領。ブリュッセルで撮影(2018年 ロイター/Eric Vidal)

フランスで24日公表された最新の世論調査によると、マクロン大統領の支持率は6月に1%ポイント低下の40%となり、過去最低を更新した。景況感の改善や海外投資の増加にもかかわらず、大統領府(エリゼ宮)への支出に加え、福祉給付金の削減が批判を集めている。

この調査によると支持率低下は、昨年の大統領選でマクロン氏を最も支持した65歳以上の有権者の間で特に顕著だった。この年齢層では支持率が38%と、1カ月で8%ポイント低下しており、年金生活者の間で増税に対する不満が高まっていることが浮き彫りとなった。

著名なビジネスマンやエコノミストからは最近、マクロン大統領の経済政策は富裕層に有利だとの懸念が出ている。

元投資銀行家のマクロン氏は、たとえば富裕税を廃止を正当化しているほか、6月にはフランスの大規模な社会的移転制度は「大金がかかり過ぎる」と批判。さらに今週は、エリゼ宮のディナー食器や、リビエラの大統領別荘におけるプール建設に税金をつぎ込んだと報じられた。

週刊紙JDDのため調査をまとめたlfopの副責任者、フレデリック・ダビ氏は「(こういった論争は)大統領による社会的侮辱のようなものに対する感情を強めている」と分析。「大統領は実態を把握していない、という感情が広がっている」と述べた。

マクロン氏は、実態を把握しておらず傲慢だとの批判を否定。政府広報官はRTLラジオで今年、大統領の改革を擁護し「人々は傲慢さと、覚悟や度胸とを混同している」と述べた。

調査は15―23日、1963人を対象に行われた。誤差は2.2%ポイント以内。

[パリ 24日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率60%に小幅上昇 PCE

ビジネス

ドル34年ぶり157円台へ上昇、日銀の現状維持や米

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中