最新記事

不正疑惑

ナジブ前首相が汚職調査機関に出頭 出国禁止、家宅捜索と狭まる包囲網

2018年5月22日(火)21時10分
大塚智彦(PanAsiaNews)


その結果、自宅から段ボールで280箱分の宝石、高級バッグを押収。シャネル、グッチ、プラダなどの高級ブランドのバッグには多額の現金や宝石が詰め込まれていたという。

高級コンドミニウムからもエルメス、バーキン、ルイヴィトンなど72個のバッグを押収した。バッグの中にはマレーシア通貨のリンギットの他に多額の米ドルが保管されていたという。警察当局も押収品の総額がいくらになるのか「現時点では計算できない」と言うほどだった。

あだ名は「マレーシアのイメルダ夫人」

警察に押収された大量の高級バッグ、宝石はナジブ前首相の妻ロスマ夫人の所有物で、首相の妻の立場を利用して頻繁に海外に赴いては高級ブランドのバッグ、洋服、宝石を買い漁っていたとされる。そこでついたあだ名は大量の高級靴のコレクションで有名になったフィリピンのマルコス元大統領夫人にちなみ「マレーシアのイメルダ」というものだった。

ロスマ夫人に関しては、2016年9月に地元マスコミのネット版に写真が大きく掲載され、その腕時計とイヤリングをアップにして「腕時計は250万マレーシアリンギット(MR、約61万円)、イヤリングは50万MR(約12万円)」と指摘されたことがある。

また2008年から2015年までに英ロンドンのハロッズ、米ニューヨークの5番街などで洋服、靴、宝石を購入した際に支払った額が600万ドルにのぼり、この一部に1MDBの資金が含まれている可能性も指摘されていた。

さらにロスマ夫人はニューヨークのタイムズスクウェアの高級アパートのペントハウス(約3000万ドル)やロサンゼルスのマンション(3900万ドル)などを含む約10億ドルの資産があると報じられていた(本誌2016年10月18日号、「ナジブ首相の足をひっぱるマレーシアのイメルダ夫人」)。

こうした疑惑はナジブ前首相が権力の座にいたときは疑惑のままで済まされてきたが、今後は警察、MACCなどによる厳しい追及にさらされることになる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ANA、エアバス機不具合で30日も6便欠航 2日間

ビジネス

アングル:「AIよ、うちの商品に注目して」、変わる

ワールド

エアバス、A320系6000機のソフト改修指示 A

ワールド

アングル:平等支えるノルウェー式富裕税、富豪流出で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場の全貌を米企業が「宇宙から」明らかに
  • 4
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 5
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    エプスタイン事件をどうしても隠蔽したいトランプを…
  • 10
    香港大規模火災で市民の不満噴出、中国の政治統制強…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中