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米中関係

トランプの仕掛けた貿易戦争、中国企業に長い影 おもちゃから幹細胞培養ロボまで

2018年5月14日(月)18時15分


貿易戦争は本格化へ

港湾都市の寧波では、ジョアン・ルー氏が自身の会社が販売する布地用プリンターに値引き圧力が高まっていることに気を揉んでいる。製品の4割は米国市場向けだが、輸入関税の上昇を相殺するため、クライアントが製品価格の割引を求めているのだ。

「業界全体が懸念している」とルーは語る。「今後顧客の注文を受ける際に、値引きするよう圧力がかかることは確実だ。僅かな幅ではない。25%だ。1万ドルの取引だとすれば、関税によって2500ドルも上乗せされてしまう」

彼女の会社が米国市場を放棄することはないだろうと語るルー氏だが、「とはいえ、私たちはいま、他国市場の開拓に全力を挙げている」と付け加えた。

米国は中国にとって最大の貿易相手国であり、米統計によれば、同国は昨年、中国から5060億ドル相当を輸入している。巨額の対米貿易黒字も、対立の一因となっている。

膨大な量の雑貨や玩具、クリスマス用装飾を輸出することで知られる中国都市・義烏では、販売業者が貿易摩擦の影響については慎重な態度を崩さないまま、事態の推移を注視している。

浙江のミシンメーカーでマネジャーを務めるヤン・ディンジュ氏は、広大な商業施設の一角にある自社店舗でオレンジの皮を剥きながら、「携帯電話でニュースを追っている」と語った。

とはいえ、彼の顧客は中東・アフリカの開発途上国市場が中心であり、米中貿易摩擦の影響があっても緩和されるだろう、と予想する。

また、義烏で裁縫用のハサミやミシン部品の販売企業に勤務するチェン・ハイイン氏は、米国の制裁対象品リストにミシンが含まれている理由が分からず当惑する。だが、貿易戦争が本格化すれば副次的な影響が広がるだろうと語った。「本当に対米貿易戦争に突入すれば、その影響からは、誰も逃れられない」

(翻訳:エァクレーレン)

Samantha Vadas and Adam Jourdan

[深セン/上海(中国) 4日 ロイター]


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