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選挙トルコ6月大統領選、エルドアン再選なるか? 通貨リラ急落が長い影
5月23日、トルコは通貨リラが急落した影響で労働者階級の生活がひっ迫し、エルドアン大統領(写真)が再選を目指す6月の選挙に影を落としている。写真は20日、イスタンブールで撮影(2018年 ロイター/Murad Sezer)
トルコは通貨リラが急落した影響で労働者階級の生活がひっ迫し、エルドアン氏が再選を目指す6月の大統領選に影を落としている。
外国人投資家の間ではインフレ圧力が高いにもかかわらず金利低下を目指すエルドアン氏の政策への不信感が強まり、リラは売りを浴びた。エルドアン氏が先週、大統領選後に金融政策への関与を強める考えを示すとリラは売りが加速。次々と過去最安値を更新し、年初来の下落率は約20%に達した。
23日には中央銀行が緊急利上げに踏み切ったが、市場関係者の間からはリラ相場の安定回復には不十分との声も出ている。
チャルシャンバ市場で衣料品を商うオズギュル・カミスさんは、リラ安のために5ドルのズボンの仕入れ値がわずか1日で23リラから24.5リラに上がったとこぼす。「大統領が政策判断を誤ったせいだ。今はまだましな方で、大統領選後はもっとひどくなるだろう」という。
エルドアン氏は15年間も政権の座にあり、トルコの急激な経済成長を主導した実績を持つが、近年は国内で強権的な姿勢を強めている。海外投資家からは一様に警戒感を持たれているが、国内でもカミス氏のようにこれまで中核的な支持基盤だった労働者層から課題を突き付けられる可能性がある。
与党寄りと目されている調査機関MAKが23日公表した調査結果によると、大統領選と同時に実施される総選挙は接戦となっており、エルドアン氏の公正発展党(AKP)と国家主義的な連立政党の支持率が50%となっている。
大統領選の予想はエルドアン氏の支持率が51.4%だが、7月に決戦投票が行われる展開になればエルドアン氏は野党候補などと厳しい戦いを強いられるだろう。
ただ、今でも熱心なエルドアン支持者は少なくない。こうした勢力は、リラは外国人投資家に狙い撃ちされているとの政府の見解をうのみにしている。
チャルシャンバ市場の店員のアーメトさんは「外国の勢力はエルドアン氏を引き下ろすためにドルを押し上げている。しかし誰もエルドアン氏を打ち負かすことはできない。最後までAKPを支持する」と話した。
トルコの景気サイクルがピークを迎えたとみられることから、エルドアン氏は先月、大統領選を1年以上も前倒しした。政策誌ターキー・アナリストの編集長のハリル・カラベリ氏は「今から1年後に起きると言われる景気後退期の真っただ中に大統領選が行われれば、状況は違っただろう」と述べ、エルドアン氏の勝利を予想した。
ワシントン・インスティテュートの研究員のソネル・チャアプタイ氏は「トルコでは国民の半分がエルドアン氏を憎み、もう半分は熱心に支持している」と話した。
(Ali Kucukgocmen記者、David Dolan記者)
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