アメリカ抜きTPP11が米政権に突き付ける「復帰の条件」
それに、この修正版TPPへの参加国はさらに増える可能性もある。韓国、タイ、フィリピン、インドネシア、台湾、コロンビア、さらにはイギリスまでもが参加を検討している。
この点は見過ごせない。もし参加国が増えれば、11カ国にとっては、アメリカを含めた12カ国のTPPより大きな経済的恩恵を得られる可能性がある。
ピーターソン国際経済研究所の推計によれば、11カ国にインドネシア、韓国、タイ、台湾、フィリピンが加わった「TPP16」が発足すれば、参加国が得る経済的恩恵は年間4860億ドルに達する可能性がある。アメリカを含めた元の12カ国のTPPの場合は同4650億ドルだ。
もちろん、日本やベトナムなど、アメリカと自由貿易協定を結んでいない国は、アメリカをTPPに引き戻したいだろう。それに、地政学上の理由により、アメリカをTPPに加えたいと考える国もある。
それでも、アメリカが自国の望む条件でTPPに復帰するのは簡単ではなさそうだ。

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