最新記事
ヘルス

うんちを寄付して報酬が年150万円

2018年4月12日(木)15時30分
リディマ・カネトカー

うんちを売って人助け artisteer/iStock.

<オーストラリアやアメリカに、うんちを買い取ってくれている病院があるという。いったい何に使うのか>

あなたのうんち、買い取ります──。まさかと思うかもしれないが、うんちを提供すればお金がもらえる、という話は本当らしい。

オーストラリアのメディア「news.com.au」によれば、同国の消化器病センターにうんちを提供すると、1回50豪ドル(約4000円)の報酬をもらえる。単純計算すれば1週間で250豪ドル(約2万9000円)、1年だと1万3000豪ドル(151万円)に上る。

うんちの需要が高まっている1番の理由は、健康な人のうんちに含まれる腸内細菌を患者の腸に注入することで腸内環境を整える「便移植療法」に使うからだという。

推進団体が運営するウェブサイト「thefecaltransplantfoundation.org」によれば、便移植療法とは、「健康なドナーの便を生理食塩水などに混ぜて液状にし、フィルターでろ過した菌液を患者の腸に移植する」ことを指す。移植には、「大腸内視鏡やS状結腸鏡などを使用するか、かん腸器」を用いるという。

うんちもドナー不足

目的は、患者の体内で失われた善玉菌を取り戻すことだ。抗生物質などで善玉菌が殺されてしまうと、悪玉菌、とくに「クロストリジウム・ディフィシル」が腸内で増えすぎてしまう。

その結果、「クロストリジウム・ディフィシル感染症」(CDI)になると、下痢や吐き気を引き起こし、死に至ることもある。

最近では腸の病気だけでなく、自閉症や難病の多発性硬化症、慢性の下痢などの疾患にも便移植療法が使われている、と記事は指摘する。

同国の消化器病センターがうんちを買い取る背景には、ドナー不足があるという。

便移植療法への注目は確実に高まっている。同センターの消化器専門医、トーマス・ボロデイは、1日平均10件、年間で1万2000件以上の移植を担当すると語った。

だがドナー契約を結ぶには、条件がある。まずは本人が健康で、BMI(体格指数)が正常値であることが求められる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

カナダ首相、3月初旬にインド訪問か 貿易多様化を推

ワールド

EU、ロシア産ガス輸入停止を承認 ハンガリーは提訴

ビジネス

ホンダ、中国の四輪工場19日の週から再開 半導体不

ワールド

南アランド、22年以来の高値 一時1ドル=16ラン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 6
    「楽園のようだった」移住生活が一転...購入価格より…
  • 7
    「20代は5.6万円のオートロック、今は木造3.95万円」…
  • 8
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 9
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 10
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中