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米朝会談で日本パッシングの危機? 核・拉致解決へ安倍首相4月初旬にも訪米

2018年3月9日(金)13時08分

3月9日、菅義偉官房長官(写真中央)は閣議後会見で、同日朝の日米首脳による電話会談について、トランプ大統領と安倍晋三首相が、核・拉致・ミサイル問題の解決に向け、連携して一層協力していくことを確認する会談だったと述べた。写真は都内で2016年7月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

菅義偉官房長官は9日の閣議後会見で、同日朝の日米首脳による電話会談について、トランプ大統領と安倍晋三首相が、核・拉致・ミサイル問題の解決に向け、連携して一層協力していくことを確認する会談だったと述べた。

会談では大統領から、韓国特使による南北会談の結果説明について報告があったという。さらに安倍首相が予算成立後の4月初旬にも訪米して大統領と会談することとし、そうした具体的調整を行うことになったことを明らかにした。

また首相からは拉致問題解決に向け、大統領の力を借りたいと要望し、大統領からも「それは当然のことだ」という前向きの回答を得たとした。

同官房長官によると、トランプ大統領からは、韓国特使から金正恩・朝鮮労働党委員長が非核化にコミットし、米大統領との対話を望んでいるとの報告を受け、金委員長と会う用意があるとの説明を受けた、との連絡があった。その上で大統領からはこれまで日米韓で最大限の圧力をかけてきた成果との発言があったという。

トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウム関連の輸入規制に署名したことについては、同長官は「きわめて遺憾だ」としたうえで、「安全保障を理由とした措置は世界の鉄鋼アルミニウム取引に動揺を与えるだけでなく、日米両国の経済関係、多国的貿易関係、世界経済にも大きな影響を与えかねない」との認識を示した。そのうえで、米国に対し日本の対象からの除外を含めて働きかけを行っていく考えを示した。

[東京 9日 ロイター]


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