最新記事

中国スパイ

FBI:中国は米大学にスパイを送り込んでいる

2018年2月15日(木)13時50分
アンソニー・カスバートソン、グレッグ・プライス

アメリカの大学には危機感がまったくなくてオープン過ぎる、とFBIのレイ長官は警告した Charles Mostoller-REUTERS

<教授や研究員や学生のふりをして、大学ベンチャーから次々に生まれる有望技術を盗んでいる?>

中国の情報当局の工作員がアメリカの大学に入り込み、テクノロジー分野などの情報を入手している疑いがあるが、大学側はこの重大な問題にほとんど気づいていないと、クリストファー・レイFBI長官が2月13日に警告した。

レイは上院情報委員会の公聴会で、中国人スパイとおぼしき人々は「教授、研究者、学生」など様々な立場でアメリカの最高学府に入り込んでいると述べた。オンライン紙マクラッチーDCの報道によれば、中国のスパイ網は全米に張り巡らされているため、全米各地のFBI支部が捜査に乗り出す必要があると、レイは訴えた。

FBIは中国政府が資金援助を行っている大学の教員らを監視しているが、それらの大学はキャンパスでのスパイ活動にまったく気づいていないと、レイは言う。

「大学関係者があきれるほど無防備なことが問題だ。アメリカでは研究開発の場は非常にオープンで、それは素晴らしいことだが、彼らはそこにつけ込んでいる」

マクラッチーによれば、全米各地の大学にいる中国人留学生はざっと35万人。アメリカで学ぶ外国人留学生は100万人なので、その35%にも上る。

レイによれば、中国がアメリカの大学に目をつけたのは、次世代テクノロジーが次々に生まれる場だからだ。

「アメリカはイノベーション大国で、大学発のベンチャーで有望な技術がどんどん生まれている」

大学は研究者や学生が情報を盗むことなど想定していないため、現状では情報が漏れ放題になっているが、大学当局の意識を変えれば、有効なスパイ対策ができると、レイは指摘した。

「民間部門は(スパイ活動を)見抜くことに慣れていない。何に気をつけるべきか、彼らを教育する必要がある」

中国製スマホで会話筒抜け?

レイはまた、中国政府と関係がある中国のテクノロジー企業には注意が必要だと米通信会社に警告した。

とくに中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)のスマートフォンを使用しているアメリカ人ユーザーの情報は、中国政府に筒抜けになっている可能性があるという。

「我々と価値観の異なる外国政府の庇護を受けている企業や事業体が、アメリカの通信ネットワーク内に橋頭堡を築くリスクについて深く危惧する」

「それにより、外国政府はアメリカの通信インフラに負荷をかけたり、まるごと乗っ取ったりできるようになる。悪意を持って情報を改変したり、盗んだりでき、まったく気づかれずにいくらでも情報を収集できるようになる」

FBIは15年の報告書でも、中国政府と「不透明な関係」を持つファーウェイについて警告を発していた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランの天然ガス施設空爆、米と連携との

ビジネス

カナダ中銀、金利据え置き 原油高受けたインフレ圧力

ワールド

トランプ氏訪中、中国が延期で合意 早期に再調整=米

ワールド

高市首相が米国へ出発、「我が国の立場踏まえしっかり
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポリ」が中東へ
  • 4
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 5
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 6
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 7
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 8
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 9
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中