最新記事

動物

犬も鬱で死ぬ 捨てられたショックで心は修復不可能に

2017年11月22日(水)18時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

写真はイメージです。 yogidan-iStock.

<自分を捨てた飼い主を鬱になるまで探し続けた――捨てていい理由なんてない>

寂しさのあまり死んでしまった犬がいる。

10月頃、コロンビア北部の都市ブカラマンガ近郊のパロネグロ国際空港で、飼い主に置き去りにされたメス犬がいた。どこからやって来たのか、もちろん名前も不明だが、飼い主が迎えに来る気配は一向になく捨てられたようだった。空港職員らはこの犬を、スペイン語で旅する雲という意味の「Nube Viajera(ヌベ・ビアヘロ)」と呼ぶことにした。

(来ることのない迎えを待ち続けたヌベ・ビアヘロ)


英テレグラフの報道によると、ヌベ・ビアヘロの推定年齢は2歳。見た目は成犬でも中身はまだ子供と言ってもいいくらいだ。ヌベ・ビアヘロに空港を去る様子はなく、コロンビア動物保護財団の獣医は「旅行者が捨てた犬だろう」と地元メディアに語った。

ヌベ・ビアヘロは空港ターミナル周辺を行き交う人々の臭いを嗅ぎまわり、現れることのない飼い主を探し続けた。様子を見かねた空港職員が餌を与えたりして世話するようになった。

しかしある時から誰も迎えに来ないことを悟ったのか、ヌベ・ビアヘロは飼い主を探すのを止め、餌も全く受け付けなくなった。飼い主に捨てられたことを理解し、そのショックで食べ物も喉を通らないほどだったのかもしれない。

(いくら餌を食べるよう促しても全く食べなかった)


このとき、ターミナルの一角に力なく横たわり日を追って衰弱していくヌベ・ビアヘロの姿が多く目撃されている。最終的には栄養失調で立つことさえできなくなり、通報を受けた動物愛護団体が駆けつけたと英ミラー紙が報じている。

【参考記事】犬のうんちで方角が分かる? 犬は南北に体を向けて用を足す

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

国内企業物価、11月は前年比2.7%上昇 農林水産

ビジネス

米NEC委員長「利下げの余地十分」、次期FRB議長

ワールド

ボルソナロ氏長男、26年大統領選出馬を確認 決断「

ビジネス

米NEC委員長「利下げの余地十分」、次期FRB議長
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中