最新記事

チェコ

日系議員オカムラがチェコの右傾化をあおる

2017年11月2日(木)18時30分
クリスティナ・マザ

反イスラムを公言して支持を伸ばすオカムラ David W Cerny-REUTERS

<イスラム教徒の人口が0.1%しかないチェコで、日系政治家オカムラ率いる極右政党が支持を広げる理由>

欧州に広がる極右台頭の波がチェコにも押し寄せた。10月20~21日に行われた総選挙で、反イスラムと反EUを公約に掲げる極右の新党「自由と直接民主主義(SPD)」が3位に付ける躍進を遂げた。SPDの勢いを受け、第1党の中道右派「ANO2011」も移民・難民への強硬な姿勢を強調するなど右傾化の流れは強まる一方だ。

SPDを率いる日系の上院議員トミオ・オカムラ(45)は日本人の父とチェコ人の母を持ち、幼少期を日本で過ごした人物だ。チェコで実業家として成功を収めた後に政治家に転じた彼は、イスラム教を宗教ではなく「イデオロギー」だと語るなどイスラム嫌いの発言を連発。チェコ人は中東発祥の肉料理ケバブを食べるのをやめ、モスク周辺に豚を連れて行くべきだなどとも主張している。

「チェコのイスラム化を食い止めたい。移民を全く容認しない姿勢を推し進めたい」と、オカムラは選挙後に語った。

ただし、チェコではイスラム教徒は人口のわずか0.1%で、深刻な難民問題も発生していない。それでもオカムラの主張が国民の共感を得る背景には、国家消滅の脅威に怯えてきたチェコの歴史的な経緯と、欧州各国で相次ぐテロへの恐怖心があるとみられる。

SPDが連立政権入りする可能性は低いが、オカムラが今後も台風の目となるのは間違いなさそうだ。

<本誌10月31日発売最新号掲載>

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

ニュース速報

ワールド

英政府の離脱協定案、議会通過見込めない=スコットラ

ビジネス

貿易収支が2カ月ぶり赤字、原油高響く 輸出プラス転

ワールド

サウジ記者殺害テープ、トランプ米大統領「聞きたくな

ビジネス

焦点:世界株安で蘇る「バリュー株」人気、成長株は後

MAGAZINE

特集:東京五輪を襲う中国ダークウェブ

2018-11・27号(11/20発売)

無防備な日本と東京五輪を狙う中国ハッカーたち── ネットの奥深くで始まったサイバー作戦の狙いは?

人気ランキング

  • 1

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 2

    29年前の「女子高校生コンクリート詰め殺人事件」の容疑者が再犯 少年法見直しの議論は海外にも 

  • 3

    「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになったおぞましい新事実

  • 4

    人類史上最も残虐な処刑は「首吊り、内臓えぐり、仕…

  • 5

    APEC執務室に乱入した中国代表──国際スタンダードな…

  • 6

    心肺停止後、5分は意識がある!? 最新の脳神経学で…

  • 7

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 8

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 9

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐…

  • 10

    カルロス・ゴーン逮捕、アメリカでどう報じられたか

  • 1

    「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになったおぞましい新事実

  • 2

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 3

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐待の日々

  • 4

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 5

    29年前の「女子高校生コンクリート詰め殺人事件」の…

  • 6

    人肉食が予防した不治の病

  • 7

    あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非…

  • 8

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない…

  • 9

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 10

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 1

    ナメクジを食べた男性、脳を侵す寄生虫で8年後に死亡

  • 2

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない「仲間」たち

  • 3

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て帰宅

  • 4

    29年前の「女子高校生コンクリート詰め殺人事件」の…

  • 5

    子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を…

  • 6

    「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになっ…

  • 7

    安倍首相はよく耐えた!

  • 8

    全否定の「囚人筋トレ」が普通の自重筋トレと違う3つ…

  • 9

    人肉食が予防した不治の病

  • 10

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
「♯レゴのすべて」投稿キャンペーン
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

ニューズウィーク日本版特別編集 レゴのすべて

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月