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中国共産党

「習近平新時代中国特色社会主義思想」が党規約に!

2017年10月24日(火)16時30分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』に書いたように、習近平は「世界を制覇しようとしている」のである。そのことを見誤った日本の少なからぬジャーナリスト、研究者そしてメディアが、習近平の闘いを「権力闘争」と矮小化している間に、中国は日本を遥かに追い越して、アメリカと並ぼうとしている。

そうすれば、いかに腐敗が蔓延して矛盾をはらんでいる中国でも、人民は中国共産党に従うだろうというのが目的なのである。

日本は?

中国共産党そのものが、抗日戦争で勇敢に戦ったからこそ強大化したのではなく、日本軍と共謀して国民党軍を弱体化させようとした毛沢東の戦略によって強大化したのだという事実を、習近平はどんなことがあっても隠蔽し続けたい。だから言論弾圧は強まるばかりだ。

その言論弾圧をしている中国に媚を売る日本政府は、言論弾圧を肯定し、民主化運動で苦しんでいる一部の中国人民を、中国政府と手を携えて苦しめていることに気が付いているだろうか?

いや、気が付いていても、保身のために中国に媚びを売る。

それがやがて、どのような日中関係に発展していくかは、天安門事件以降に必死になって中国に手を差し伸べてきた日本政府が招いたこんにちの結果を見れば言を俟たない。

今後とも大局的視点で習近平の言動を見ていく必要があるのではないだろうか。

endo-progile.jpg[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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