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米中関係

北朝鮮危機、ニクソン訪中に匹敵する米中合意の可能性

2017年10月17日(火)18時01分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)

4月の米中首脳会談後のトランプ米大統領(写真左)と中国の習近平国家主席 Carlos Barria- REUTERS

<ティラーソン国務長官、マティス国防長官らトランプ政権の賢人閣僚は対話路線。あとはトランプに、外交的偉業は戦争よりカッコいいことをわからせればいい>

近代外交史のなかで、それは最も大胆で危険な行動の1つだった。

リチャード・ニクソン米元大統領は冷戦下の1972年、極度に貧しく世界から孤立した中国の首都北京を訪問し、共産革命の父とされる中国の毛沢東主席と歴史的な会談を行った。アメリカは当時、国民党が率いる台湾を、中国の唯一の合法的政府として認めていた。ニクソンが訪中した目的は、時代の潮流を変えるためだった。当時ニクソンの国家安全保障問題担当補佐官を務めたヘンリー・キッシンジャーは後年こう言った。「ニクソン訪中は、米中和解の可能性を見極めるためのものだった」

10月初めにホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領と会談したのが、94歳で弱りきっているとはいえ、やはりキッシンジャーだったことは、多くを物語る。トランプ政権は、11月初旬にトランプが東アジア歴訪に出かける前に、対中政策を見直そうと必死だ。キッシンジャーとトランプの会談はまさにこのタイミングで行われた。中国も日本も韓国も、北朝鮮の核・ミサイル開発の加速を非常に憂慮しているからだ。

北朝鮮が「炎と怒りに直面する」と発言したり、「嵐の前の静けさだ」と開戦前夜のようなことを言ってのけるトランプの好戦的なレトリックは、アメリカの同盟国だけでなく中国をも不安にさせた。(北朝鮮の激しい反発のレトリックが、関係国の不安に拍車をかける)。

トランプがキッシンジャーと会談

だがレックス・ティラーソン米国務長官とジェームズ・マティス米国防長官は、上司のトランプよりよほど外交的解決の必要性を強調しており、中国は困惑している。果たしてこれは、脅したりすかしたりするトランプ政権の戦術なのか、それともトランプが単に愚かなのか。

キッシンジャーは過去にもトランプと外交政策について意見を交わしたことがあるが、今回ホワイトハウスに招かれたのは、トランプは正気、というシグナルを中国に送るためだったと情報筋は言う。中国指導部はキッシンジャーのことを中国の古い友人と見なしている。、中国という国を理解し、正当な歴史的文脈で中国を捉えてくれる人物だと評価している。

だがキッシンジャーのホワイトハウス訪問には、それ以上の意味がある。北朝鮮の核の脅威が高まっているのを受け、トランプ政権は中国との重大な取引を視野に入れている。それは、ニクソンの電撃訪中に匹敵するほど大胆だ。

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