最新記事

中国社会

中国のキャリアウーマンは年下男性でもOK! 崩れる伝統的結婚観

2017年10月5日(木)17時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

中国・杭州で行われたアリババ・グループ社員の合同結婚式 THIRD PARTY-REUTERS

<かつての中国では、男性が年上の女性と結ばれれば社会的に敗者とみなされたというが......>

中国の伝統的な結婚観は急激に変化してきているようだ。男性は働いて女性は家庭を守るという古い考え方は、経済成長と人口変動に対応できていない。男女の経済力が均衡するにつれ、家庭での役割にも平等さが求められている。

時代が変わったいま、中国でこれまで敬遠されてきた、女性が年上のカップルの結婚が認められつつある。香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストが伝えた。

【参考記事】生涯未婚率は職業によってこんなに違う

結婚したい人とできない

中国南部広州に住んでいたジュ―・シウユン(当時25歳)は、年齢差のために愛する男性との結婚を両親に反対された。

1985年当時の世論では、年下の男性パートナー、いわゆる「若いつばめ」との結婚は冷ややかな目で見られた。ジュ―は「男性が年上の女性と結ばれれば、社会的には敗者とされた」と振り返る。「夫は妻よりも良い教育を受け、すべてにおいて勝っている」ことが当たり前とされていたという。

自分の家族が冷やかしの対象になることを恐れたジュ―は、この恋人との別れを選んだ。「2000年代になってもこうした考えは強く残っていた」とジュ―は語る。

年上女性と結婚する男性は4割に

中国の結婚観の変化は緩やかなものの、確実に進んでいる。広州日報が報じた中国社会科学院の行った調査の結果がその変化を裏付けている。

調査によると、1990年代に結婚したカップルうち男性が年下だったのはわずか13%だったが、2010年代には40%以上に達した。

中国社会科学院は、女性の教育と就職の機会が増えるにつれジェンダーによる不平等を批判する世論が高まったことで、数世紀の間「夫が妻より年上でなければならない」とされていた考え方も衰退したと分析している。

ジュ―の娘のヤン・シウェイはこの変化を実証している。上海でPRマネージャーとして働く31歳のヤンは、4つ年下の男性と結婚した。

ヤンは「私の親世代だと、成功している年上の男性は最高の結婚相手とされました」と言うが、「夫は妻を支配することに慣れていたけど、私の世代はそうじゃない」と言う。愛はお金、教育、年齢と関係のない「分かち合いの精神と平等な関係」だと考えている。

【参考記事】独身男性の「結婚相手は普通の子がいい」は大きな間違い

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国スマホ販売、第1四半期はアップル19%減 20

ビジネス

英インフレ率目標の維持、労働市場の緩みが鍵=ハスケ

ワールド

ガザ病院敷地内から数百人の遺体、国連当局者「恐怖を

ワールド

ウクライナ、海外在住男性への領事サービス停止 徴兵
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 9

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 10

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中