最新記事

北朝鮮

米マティス国防長官も警告「北朝鮮は体制の終焉につながる行動やめよ」

2017年8月10日(木)07時07分

8月9日、マティス米国防長官は、北朝鮮は「体制の終焉」につながるいかなる行動も中止し、核兵器の追求を放棄する必要があるとの考えを示した。写真はベトナムのリック国防相を出迎えるマティス氏。8日撮影。(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

米国のマティス国防長官は9日、北朝鮮は「体制の終焉」につながるいかなる行動も中止し、核兵器の追求を放棄する必要があるとの考えを示した。

トランプ米大統領は前日、北朝鮮が米国をこれ以上脅かせば「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒りに直面することになる」と同国をけん制しており、マティス長官の発言はこれに続く警告となる。

トランプ大統領の発言を受け、北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)はこの日、同国が中長距離弾道ミサイル「火星12」を米領グアム周辺に向けて発射する作戦を「慎重に検討」していると伝えている。

マティス長官は声明で「北朝鮮は孤立をやめ、核兵器の追求を放棄することを選ぶ必要がある」とし、「北朝鮮は体制の終焉、および自国民の破滅につながるようないかなる行動の検討もやめる必要がある」とした。

そのうえで、米国は北朝鮮が示す行動と同様の行動をとるとし、北朝鮮は自国が仕掛けた軍拡競争や紛争で敗北を喫することになると警告。米国務省は外交努力を進めているとしながらも、米国、およびその同盟国は「世界で最も正確で堅固な防衛・攻撃能力を有している」とした。

マティス長官はこれまで、米国は北朝鮮に対応できるがいかなる軍事的な解決法も想像を絶する悲劇につながると発言。今回示した見解は同長官がこれまで北朝鮮に対して示した見解と比べて強硬なものとなる。

トランプ大統領はこの日、前日の「炎と怒り」発言に補足する格好で、「私が米大統領として一番に下した命令は、米国の核兵器備蓄の刷新および近代化だった。(米国の核能力は)かつてないほどに増強された」とツイッターに投稿。「この威力を使う必要がないことを願うが、米国が世界最強の国でなくなる時は決して来ない!」と強調した。

トランプ大統領がツイッターでつぶやく前、ティラーソン米国務長官は、大統領の前日のレトリックによる影響の軽減に努めた。

ティラーソン長官はグアム入りを前に記者団に対し、「大統領は金正恩(キム・ジョンウン)委員長が理解する言葉で強いメッセージを送ろうとしている。彼は外交的な言語を理解するようには見えないからだ」と語った。

[ワシントン/ソウル 9日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

鉄鋼関税、2倍の50%に引き上げへ トランプ米大統

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中