最新記事

北朝鮮

北朝鮮の「滅びのホテル」がいよいよオープン間近?

2017年8月2日(水)17時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ピョンヤン市内にそびえ立つ「滅びのホテル」 Bobby Yip-REUTERS

<着工から30年の時を経て、一時は中断されていた北朝鮮の幻の高層ホテルが遂にお披露目へ>

北朝鮮の首都ピョンヤンで建設が中断し、一時は忘れ去られかけていた「柳京ホテル(リュギョンホテル)」のオープンが近づいているようだ。105階建、高さ330メートルの超巨大ホテルに接続する2本の道路が開通し、建物の全貌が明らかになった。AP通信によると、7月27日、ホテルの正面に看板が取り付けられた。


工事が始まったのは、およそ30年前。1988年開催のソウルオリンピックに対抗して、社会主義国家の祭典「第13回世界青年学生祭典」の開催に華を添える、国家の威信をかけた一大プロジェクトだった。

初期の建設費だけで国内総生産(GDP)の2%に相当する、この巨大な建設プロジェクトは無謀だった。工事の進捗は予想通りに遅れ、青年学生祭典にも間に合わなかった。このときは急きょ、別のホテルを2つ建てて、やり過ごした。一方この巨大ホテルは、備品はおろか窓も外装すらないまま放置され、メディアからは「滅びのホテル (Hotel of Doom)」と呼ばれていた。

【参考記事】【写真特集】時空を超越した北朝鮮の建築アート

北朝鮮は2008年に工事を再開。それまでに7億5000万ドル以上を費やしていた。さらにロイターの報じた試算では、追加で20億ドルが必要だった。

政府としては、2012年の金日成国家主席の生誕100周年の祝賀行事の一環としてホテルを完工したかったが、またしても叶わずに終わった。アメリカの北朝鮮専門ニュース サイト「NKニュース」によれば、2011年にホテルに窓ガラスが設置されたのを最後に、工事は中断していた。

【参考記事】北朝鮮エリートはSNS大好き 毎日チェックを欠かさない

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

大企業製造業・業況判断DIは+15=12月日銀短観

ビジネス

MDV、日本生命によるTOB「検討中」 決定事項は

ワールド

世界各地でユダヤ教行事の警備強化、豪ビーチ銃撃受け

ワールド

チリ大統領選で右派カスト氏勝利、不法移民追放など掲
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中