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USTR、議会にNAFTA再交渉の目的通知 通貨操作阻止も表明

2017年7月18日(火)09時10分

7月17日、米通商代表部(USTR)は北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に向けた交渉目的の概要を議会に通知した。写真はライトハイザーUSTR代表。5月撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque/File Photo)

米通商代表部(USTR)は17日、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に向けた交渉目的の概要を議会に通知した。米国の貿易協定では初めて、貿易相手国による通貨操作を阻止する仕組みの導入を求めていく方針を打ち出した。

NAFTAは1994年に発効。再交渉は来月開始の予定。

ライトハイザーUSTR代表は議会に送付した文書で、トランプ政権はカナダとメキシコへ輸出する米国製品へのアクセスを改善することで米貿易赤字の削減を目指すと表明。また、いかなる国も、不公平な競争上の優位性を得るために為替相場を操作すべきでないと強調した。

NAFTAに加盟するカナダとメキシコは為替操作国とはみなされていないものの、交渉目的のリストに為替操作が盛り込まれたことで、発効から5年を迎える韓国との自由貿易協定(FTA)見直しなど、今後行われる通商協定交渉のひな型となる可能性がある。

ライトハイザー代表はまた、優先目標として、カナダ・メキシコ企業に対する反ダンピング・反補助金措置の適用をおおむね禁じているメカニズムの撤廃を求めていくほか、米国産農産物の対カナダ、メキシコ輸出に対する非関税障壁も除去していく方針。こうした非関税障壁には補助金や不公平な価格構造が含まれるとしている。

さらに、NAFTAの原産地規則についても厳格化を求める姿勢を示した。

代表によると、再交渉は8月16日以降に開始される。

[ワシントン 17日 ロイター]


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Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

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