最新記事

AI

ボルボ、自動運転ゴミ収集車を開発 人を乗せない理由は?

2017年7月14日(金)15時58分
ライアン・マシュー・ピアソン ReadWrite[日本版]編集部

ボルボ・トラックが開発する自動運転型ゴミ収集車。ちなみに同社は中国資本傘下となった乗用車部門のボルボ・カーズとは別会社

<昨年、Uberの子会社「OTTO」のシステムを搭載して高速道路での約200kmの自動運転に成功するなど、次世代のトラック輸送に取り組んでいるスウェーデンのボルボ・トラック(以下、ボルボ)。今度は本国スウェーデンで自動運転によるゴミ収集車をテストしているが、どうしたことか人は乗せないという......>

ボルボは清掃員が、ゴミ回収作業を安全、簡単に出来るようプロジェクトを立ち上げた。もし、成功すれば、それぞれのゴミ回収ルートを回りきるのに必要な人員の削減にもつながる。

トラックがゴミ回収ポイントを回るのを自動化することで、清掃員はゴミ回収のたびに車から乗り降りする必要はなくなる。トラック自身が自分で運転することでドライバーを開放し、ほかの重要なタスクを安全にこなせるようになるという。

アメリカでは多くのゴミ回収トラックに、専用に設計されたアームが取り付けられており、ゴミ箱を掴み、車の後部にゴミを放り入れて元の場所に戻してくれる。ドライバーに求められるのはトラックを所定の場所に止め、そのアームを操作することだ。ほかの清掃員の仕事は、アームが届かないような場所に置かれたゴミの回収である。

【関連記事】ボルボが2年で全車種EVシフト 背景に中国メーカー
【関連記事】自動車はどこまで自動化すれば自動運転車になる?

とはいえ、多くの地域では今でも、これまで通り手作業による回収が行われており、清掃員がゴミ箱や空き瓶の回収を行っている。つまり清掃員はトラックを降りてはまた、運転するために戻っているということになる。

自律運転が可能なトラックが出てくれば、ルートを回り切るのに必要な労力は少なくなる。また清掃員も乗り降りの繰り返しがなくなることから負担が軽くなるということだ。


■ボルボの自動走行トラックプレゼンテーション動画 / YouTube

ボルボのトラックには、現在開発されている自動運転車に搭載されているセンサーと同じものが搭載される予定だ。1回目はGPSとセンサーを使ってルートを策定する。その後はトラックがルート上の障害物や停止が必要なポイントについて学習する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:値上げ続きの高級ブランド、トランプ関税で

ワールド

訂正:トランプ氏、「適切な海域」に原潜2隻配備を命

ビジネス

トランプ氏、雇用統計「不正操作」と主張 労働省統計

ビジネス

労働市場巡る懸念が利下げ支持の理由、FRB高官2人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 5
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    これはセクハラか、メンタルヘルス問題か?...米ヒー…
  • 8
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 9
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 10
    オーランド・ブルームの「血液浄化」報告が物議...マ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中